ぴよぴよ。 4月がやってきた。

ちょっと前まで学生だった新入社員にとっては、避けて通れない儀式がある。

そう。

「早起き」である!

  • 目覚ましガジェット企画

    「ああああああああああああああああああ」(いくら泣き叫んだところで、時は巻き戻らない。瀬尾君は高校のテストの日に寝坊し、時を戻す魔法の発動を試みて、貴重な時間をさらに15分どぶに捨てたことがあるらしい)

早起きなんて楽勝っスという人はここから先を読まなくても構わないのだが、このページを開いたということは、おそらくそうではない人が多数を占めているはず。

学生時代はいくらでも怠惰に過ごすことができたわけだが(瀬尾:個人差があります)、社会人になるとそうもいかない。朝早く起床し、イヤでも会社に行かなければならないのだ。夜型生活に首までどっぷり浸かっている元学生にはけっこうキツい試練である。

一応、仮病を使って午前休をとるという裏ワザもあるが、そんなことで有給を消費するのはもったいないし、ふつうに先輩社員にはバレる(なぜなら先輩も同じことをやっていたからだ)のでおすすめできない。

そこで今回、そんな早起き苦手族のための強い味方――目覚ましガジェットを紹介しよう。

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    見慣れた目覚まし時計は一つもない

目覚まし時計じゃないぞ、目覚ましガジェットだぞ

目覚ましガジェットって要するに目覚まし時計のことじゃないの? と思うかもしれないが、そんなもので起きられたら世の中に「遅刻」という概念は存在しない。目覚まし時計ごときではどうにもならないという人のために、世の中には様々な便利グッズが存在するのである。テクノロジー万歳!

今回は早起きが苦手なマイナビニュース編集部の瀬尾君にご協力いただくことにした。瀬尾君は新人編集者で、朝が弱いのが悩みの種だという。どれくらい朝に弱いのか、彼が寝起きしている部屋を訪問して聞いてみた。

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山田井: ここが瀬尾君の部屋かあ。なんかめちゃくちゃ落ち着くのはなぜ……?


瀬尾: ちょっと山田井さん! ヒトの部屋でマンガを読み漁るのはやめてください!


山田井: ごめんごめん。なんか実家のぼくの部屋とそっくりで郷愁に浸ってしまった。で、さっそくだけど、瀬尾君はちょっと前まで学生だったわけでしょ。朝は弱かったの?


瀬尾: それはもう激弱でしたね。目覚まし時計はつねに7個かけて寝ていたんですが、まったく意味がなかったです


山田井: 目覚まし7個!? なんでそれで起きないの……


瀬尾: しょせん枕元なんで、鳴った瞬間に順番に叩いてぜんぶ止めちゃうんですよね。あとは音にも慣れちゃって、最後の方は目覚まし時計たちが奏でるオーケストラ状態でした


山田井: "しょせん"の使い方がおかしい気がするし、何言ってるかわからないな


瀬尾: 叩いている間は最初から最後まで無意識です


山田井: 想像以上でビビった。今どうしてるのよ


瀬尾: 親ですね(喰い気味)


山田井: 親……


瀬尾: でも一人暮らしを考えているので、このままでは非常にまずいことに


山田井: どうするの?


瀬尾: いっそ毎朝、親に起こしにきてもらおうかと


山田井: それはやめようか(こちらも喰い気味)


瀬尾: 冗談はさておき、まじめに悩んでまして


山田井: よくわかった! そんな瀬尾君に試してもらおうと思って、おすすめのガジェットを持ってきたよ!


ひとクセある目覚ましガジェットたちを紹介!!

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    「ニドネン」。本体上部に液晶を備えており、ここは踏んじゃだめ。気を付けねばならない

まずはこちら、目覚ましマット「ニドネン」(サンコー、税込4,980円)。

原理としては目覚まし時計と同じで、設定した時刻になると大きな音で起こしてくれる。違いは音の止め方だ。目覚まし時計は手で叩けば止まるが、ニドネンはマットの上に立って一定時間(5秒くらい)経過しなければ鳴り止まないのである。

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    ドヤる瀬尾君

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    なにやら不満そうな瀬尾君

強制的に"体を起こす"動作を組み込むことで起床をうながすというわけだ。しかも、片足だけではアラームは鳴り止まず、必ず両足でしっかり踏む必要がある。目覚まし時計を遠くに置いておくのと似ているが、同じ遠くに置いておくならこちらのマットの方が止めるのに時間がかかる分、より覚醒効果が期待できるというわけだ。

瀬尾: アラームを止めるには布団から出て、マットを踏まなきゃいけないってことか! 寝転がり状態を強制的に解除されるのは効きそうですね


山田井: 止めてもう一度ベッドに潜ってしまったらそれまでなんだけど、そういう人はもう何やったってムリでしょ!?


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    着けている分にはなんだかカッコイイ!

続いて「PAVLOK」(CTWave.jp、税込24,000円前後)。

一見するとヘルスケア系のウェアラブルデバイスだが、実は設定した時間になると電流を流して強制的に目を覚まさせるという凶悪なガジェット。誰もが一度は考えたことのある起こし方ではあるが、それを実際に商品化してしまったのがすごい。

電流の大きさは10%ごとに設定可能で、一応バイブレーションとアラーム機能もある。タイマー設定はスマートフォンアプリで行う。最初にバイブとアラームが鳴り、それでも起きないときに最後の手段として電流が流れるというわけだ。電流はスマホアプリから止めるしかなく、止めないとバイブ→アラーム→電流という流れが繰り返される。

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    イイイイイイイイッタイ!!(いきなり50%。正直かなりイタい)

  • 動画で痛みのほどはおわかりいただけただろうか

瀬尾: ヤバイ


山田井: ヤバイよね


瀬尾: なんつーモン紹介するんだ! アナタってヒトは


山田井: ぼくもやってみたんだけど、悪いことは言わないから30%くらいで試した方がいい


瀬尾: ムッ


山田井: 100%は戸愚呂弟(瀬尾: 冨樫義博氏の描くマンガ『幽遊白書』に登場するつよーい敵)を相手にするくらいの絶望感がある


瀬尾: ひぃぃぃぃぃ


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    定刻起床装置個人簡易型「やすらぎ」、真の強者は人を起こすのに音なんて使わないというわけだ

最後に定刻起床装置個人簡易型「やすらぎ」(新光電業、税込99,000円)。

業務用の掃除機みたいな見た目をしているが、99,000円という価格を見てもわかるように今回一番の大物。まさにリーサルウェポンといえるブツで、本体(送風機)、ホース、空気袋の3つで構成される。まず寝る前に、空気袋を体の下のセットしておく。時間になると、本体がホースを通じて空気袋に空気を送り、体の下にセットした空気袋がどんどん膨らんでいって体が持ち上げられ、強制的に起こされてしまうのだ。

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    S「あ、なんかこれ楽しー!」

JRをはじめとする鉄道会社の乗務員宿泊施設や消防署など、寝坊できない職業で実際に使用されている起床装置ということで、価格もダントツだが信頼性もダントツ。これで起きなければもう社会人は諦めた方がいい

瀬尾: てーこくきしょーそーち? なんだか「メカ」感がすごい名前だし、モノがデカいですね……


山田井: 遅刻で失う信用の価値を考えると、ちょっとデカいことや値段が高いことはたいした問題じゃないと思う


瀬尾: その通りだ……


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    オマエなんかに起こされないゾ、という決意のポーズ(山田井:なんのこっちゃ)

ということで、今回瀬尾君にはこれらのガジェットを実際に使っていただき、その効果のほどを検証してもらうことにした。なぜ筆者が自分で試さないのかというと、最近加齢のせいか朝ばっちり目が覚めてしまうからである。歳には勝てない(?)のだ。

ただ検証結果を聞くだけだと面白くないので、瀬尾君の家族に協力してもらい、紹介したガジェットを使って瀬尾君が起きる様子を撮影してもらった。さあ、3つのガジェットのうち、早起きに効果があるのはどれなのか!? 次のページへ続く!