Windows Server 2008のEOS(End of Support:サポート終了)が2020年の1月14日に迫る中、日商エレクトロニクスは「はじめてのAzure移行セミナー」と題したセミナーを東京本社で開催した。
このセミナーは、Microsoft Azureの概要および、移行先としてMicrosoft Azureを選択した場合のメリットや移行手順などを紹介するもの。
前編では、Azuruの概要を紹介したが、後編では、「Windows Server 2008 / SQL Server 2008移行のポイント」と題した、日商エレクトロニクス エンタープライズ事業本部 デジタルイノベーション推進室 1課 河口信治氏の講演を中心に、Azureへの移行ポイントをレポートする。
河口氏は、Azureへの移行に際してまずすべきことは、今後、なくなる、なくす予定のシステムの調査だと指摘した。前編では、Azureに移行したユーザーは、2020年のEOS以降もセキュリティパッチを3年間無償で利用できる特典があることを紹介したが、2023年までに利用しなくなるシステムがあるのであれば、あえて、OSのアップグレードを行わず、Windows Server 2008のまま、Azure上で利用し続ける方法を採れば、コストやリソース面で大きなメリットがあるためだ。
また川口氏は3年間の猶予について、別のメリットも指摘した。
「OSのアップグレード先としては、現在、Windows Server 2016が最有力になるが、Azureに移行し、3年間の猶予を得ることで、今年リリースされる予定のWindows Server 2019も対象になってくる。そういう選択肢を考える上でも、3年間の時間を得るということが重要になってくる」(川口氏)
同氏は、Windows Server 2019では、Windows Admin Centerというツールが搭載され、オンプレミスおよびAzure内で実行されるWindows Serverをシームレスに確認できることから、Windows Server 2019に移行するメリットがあるとした。
移行パターン
実際のOSの移行ステップは、現状確認、移行先の選定、検証、移行という4スップになる。
現状確認の方法としては、Azure Migateがあり、180日間は無償で利用できる。Azure上で動作するツールになるが、サーバ依存関係、Azureに移行した場合のVMの推奨サイズ、ストレージ数などがわかるほか、コスト試算もできるという。
移行先の選定としては、以下の図のようなポイントで考慮し、データをローカルに置く必要があるのか、高いレイテンシ性能が求められるかなどの要件も考慮する必要があるという。
検証に関しては、Azureに閉じた環境で検証するのは容易だが、自社のデータセンターとAzureをVPNで接続して検証する際は、環境を用意するのは大変だが、日商エレクトロニクスでは、同社のデータセンターとAzureを閉域網せ結んだ環境を用意しており、サーバを持ち込んでの検証も可能だという。
実際の移行に関しては、移行方法としては、VHDイメージをExportし、Azure上にImportする方法と、Azure Site Recoveryなどの移行ツールを利用する方法の2つがあるという。
注意点としては、Windows Serverのすべての機能やサービスが利用できるわけではない点に注意する必要があり、現在、対応していないサービスを利用している場合には、対策を講じる必要があるという。