Facebook Technologies傘下のOculusは9月26日 (現地時間)、スタンドアロン型の高性能VR (仮想現実)ヘッドセット「Oculus Quest」を発表した。6DoF (6 Degree of Freedom: 6自由度)に対応しており、「Rift (PCに接続して使用)品質のVR体験を実現する」としている。発売予定は2019年春、価格は内蔵ストレージ 64GBのモデルが399USドル。

現在販売されているOculusシリーズのスタンドアロン機種「Oculus Go」は、装着するだけで手軽にVR体験を楽しめるのが特徴だ。ただし、自由度が3DoF (3 Degree of Freedom)に限られる。頭の上下左右の動きが把握され、ユーザーは頭を動かしてVR空間を見回せるが、ユーザーの体の動きは把握していないため、実際に体を移動させてVR空間を動き回ることはできない。それが可能になるのが6DoFだ。PCに接続して使用する「Oculus Rift」は、外部センサーによってユーザーのポジションをトラッキングして、6DoFのVR体験を実現している。しかしながら、外部センサーは設置が手間であるのに加えて、センサーを設置した場所に利用が限られる。また、PCに接続するVRヘッドセットはPCのパワフルな処理性能を利用できるものの、有線接続のためケーブルに動きが制限される。

「Oculus Quest」は、手軽な「Oculus Go」と最高のVR体験を実現する「Oculus Rift」の長所をバランスよく取り入れた「オールインワン・モデル」である。コンピュータを内蔵して本体のみで楽しめるスタンドアロン型でありながら、6DoFを実現。Oculus Questを装着するだけで、いつでも、どこでも、すぐに始められ、そしてVR空間を歩き回ったり、手を伸ばしてVR空間の中のものをつかむ、または投げるといったリアルな動きを楽しめる。

  • 体を動かして、VR空間を自由に動き回れる6DoF

    体を動かして、VR空間を自由に動き回れる6DoFは、ゲームやエンターテインメントの新たな可能性として注目されている。

Oculus Questは、Oculus Goと同様の光学システムを搭載し、解像度は片目あたり1600x1440ピクセルになる。インサイドアウト方式のトラッキング、VRでインタラクトできる範囲を管理する「Guardian」、Touchコントローラーなどを司る新技術「Oculus Insight」によって、外部センサーを用いないポジショントラッキングを実現する。

FacebookはVR普及のために「10億ユーザー」という目標を掲げており、ハードウェア製品の価格を抑え、そして対応ソフトウェアの拡充にも投資している。Oculus Questの対応ソフトウェアは、来春の発売時点で「Robo Recall」「The Climb」「Moss」といった人気ゲームを含む50タイトル以上になるという。