米Googleは8月21日 (現地時間)、同社の健康・フィットネス用プラットフォーム「Google Fit」のAndroidアプリおよびWear OSアプリのメジャーアップデートのロールアウトを開始した。ユーザーが前向きに健康管理に取り組めるように、「通常の運動 (分)」(Move Minutes)と「強めの運動 (ポイント)」(Heart Points)という2つの新たな指標を中心とした新デザインを採用した。

新デザインは、「通常の運動 (分)」と「強めの運動 (ポイント)」の目標までの達成度を、2つのリングで分かりやすく伝える。目標に到達してリングが閉じられたら、リングが宝石をイメージした八角形の形に変わる。目標達成を目指すUIはAppleのアクティビティに似ているが、Fitの特徴は「通常の運動 (分)」と「強めの運動 (ポイント)」を指標としている点だ。

健康向上につながる効果的なプロセスが得られるように、Googleはアメリカ心臓協会 (American Heart Association: AHA)と世界保健機関 (World Health Organization: WHO)と共に2つの指標を開発した。

「通常の運動 (分)」は、座っている時間を減らし、体を動かしている時間を増やす目標になる。Google Fitは、スマートフォンやスマートウォッチが備えるセンサー群を駆使して、ユーザーの動きをトラッキングする。シンプルな歩数べースでは正確に記録されなかった動きもアクティビティとしてしっかりとトラッキングされるので、ユーザーが日常生活の中でアクティビティを改善しようというモチベーションにつながる。

心拍数を適度に上げることで、アクティビティの効果はさらに向上する。「強めの運動 (ポイント)」は、ウォーキングのような中強度のアクティビティでは1分間で1ポイント、ランニングやボクササイズのような心拍数を上昇させる高強度のアクティビティでは、その倍のポイントを加算する。たとえば、しっかりとしたウォーキングなら、30分のウォーキングを週に5回行ったらAHAやWHOが推奨するアクティビティに達する。逆に、ただ歩くだけにしてしまうと、同じ時間を費やしても効果が減退する。「強めの運動 (ポイント)」はポイント制にすることで、心拍数の数字では伝わりにくい強度を上げたアクティビティの効果を分かりやすくユーザーに伝え、心拍数を意識した効果的なアクティビティをユーザーが行えるようにする。

日々の達成が難しすぎず、ユーザーが継続していける適切な目標を設定することで、長期的に大きな成果を得られる。Google Fitは、ユーザーの健康データやアクティビティの履歴を分析して、目標設定の調整をサポートしたり、アドバイスを提供する。

「Strava」「Runkeeper」「Endomondo」「MyFitnessPal」など、たくさんのサービスがGoogle Fitに対応しているが、複数のサービスを利用していても、ジャーナルにおいて全てのアプリからのデータをまとめたアクティビティの履歴、成果、目標までの達成度などを確認できる。