電動歯ブラシで世界的トップシェアを誇るフィリップスの「ソニッケアー」シリーズ。そのラインナップで最上位モデルにあたるのが「ソニッケアー ダイヤモンドクリーン スマート」(以下、ダイヤモンドクリーン スマート)です。スマホ連携をはじめ、非接触型の充電方式など、ソニッケアーシリーズのフルスペック機となる本製品を試してみた感想をお届けしましょう。
ソニッケアーといえば、毎分約31,000回という高速振動とブラシヘッドの振幅で引き起こされる、「音波水流」による効率的な歯垢除去がシリーズ共通の特徴。高速の音波振動による歯垢除去能力は、手磨きの最大10倍とうたわれています。
今回のダイヤモンドクリーン スマートは、シリーズ史上最高峰として初代モデルが2014年春に発売された「ダイヤモンドクリーン」に、スマホ連携機能が加わった製品。Bluetoothを使って、電動歯ブラシ本体とスマートフォンがつながり、専用アプリによるアシスタント機能が利用できるようになったものです。
実は、ソニッケアーにおいてスマホ連携機能が初めて搭載されたのは、2016年9月に発売された「ソニッケアー キッズ」。子ども向けに開発されたモデルで、歯磨きをするとアプリ上で「ご褒美アイテム」がもらえます。育成型ゲームにもなっているアプリを通して、子どもの歯磨きモチベーションを高める工夫がなされていました。
対してダイヤモンドクリーン スマートが連携するアプリは、そうしたゲーム的要素よりも、実用的な機能が提供されています。メインとなるのは、ブラッシングのガイドとチェック機能。電動歯ブラシに内蔵されたセンサーの動きを読み取り、スマホアプリ上でブラッシングをガイドしたり、状態をチェックしたりできるというものです。
同様の機能は、ブラウンやオムロンの電動歯ブラシでも既に採用されており、ダイヤモンドクリーン スマートは後発にあたります。ダイヤモンドクリーン スマートは、歯ブラシの傾き(角度)を検知してガイドするタイプで、カメラによって認識するタイプに比べると、顔の位置が変わったり首を動かしたりしても、検知にあまり支障がありません。
ただ、ブラシの角度が適切でないと検知されず、歯磨きを行う箇所を示すガイドも表示されません。この状態で動作(歯磨き)時間だけが経過してしまうので、スマホと連携する意味がなくなってしまいます。ブラシの当て方にはコツが必要で、口の中のどこでもうまく検知できるようになるまで、筆者はけっこう時間がかかりました。練習用のモードや、解説のガイドなどを追加してほしいところです。もちろん、一度乗り越えてしまえば効率よくケアができるのは間違いありません。
使いこなしやテクニックを解説するコンテンツがもう少し用意されていれば、より多くの人に有用な製品になるはず。個人的な要望としては、「何もしないよりはマシ!」的な発想で、疲れているときや忙しいときに手短にブラッシングできるモードがほしいところ。また、食後の歯磨き用途など、ライフスタイルに応じて柔軟、カジュアルに使えるモードがあると、本当の意味でのスマートな相棒になってくれそうな気がします。
コツをつかめば満足爽快!
とはいえ、うまくできるようになると、やはり達成感は十分。口腔内を6つのエリアに分け、2分間強制的にじっくり時間をかけてくまなくブラッシングするため、しっかり続けていけば大きな効果が望めそうです。
ブラシを動かし過ぎたり、押しつけ過ぎたりすると警告が表示されるので、力加減など正しいブラッシングを身に付けるためにも効果的。ブラッシングが終わると、毎回評価が表示され、ポイントが上がると達成感があり、モチベーションの向上にもつながります。
ブラッシングモードは5つ。歯垢を除去する通常用の「クリーンモード」、ステイン除去用の「ホワイトモード」、舌をケアして息をキレイにするための「舌磨きモード」、歯茎ケア用の「ガムケアモード」、歯をやさしくケアしながら歯垢を掻き出せる「ディープクリーンモード」です。
加えて、強さを3段階で設定できます。同梱のブラシヘッドは4種類で、内蔵されたマイクロチップを読み取り、本体に接続すると自動的に最適なモードと強さを設定する「ブラシヘッド認識機能」も備えています。
シリーズ最高峰だけに、やはり全体を通して機能が満載。歯磨きのテクニックや習慣化のために理想的な機能が搭載されており、意識の高いユーザーにとっても満足できる製品だと思います。