説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、『iPhoneにBluetooth機器は何台接続できるの?』という質問に答えます。

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ご質問の「接続」とは、どの状態を指すのでしょうか? Bluetoothにはいくつかの約束事がありますから、その辺りから説明してみましょう。

まず、Bluetoothは「Bluetooth 3.xまで」と「Bluetooth 4.x以降」で別の規格といっていいほどの違いがあります。オーディオ機器やキーボードなど利用開始前に「ペアリング」というユーザの手による登録作業を行う場合は、前者のBluetooth 3.xまでの規格(通称「クラシックBluetooth」)を利用していると判断できます。

iOSデバイスについて、最大で何台のBluetooth機器とペアリングできるかの公式情報はありません。市販のBluetooth機器の場合、最大8台程度に設定されていることが多く、その数を超えると古い情報から消去されますが、iPhoneはそれ以上です。試しにiPhone Xで13台を登録してみましたが、さらにペアリングできる状態でしたから、よほど多数のBluetooth機器に囲まれていない限り、現実的に困ることはなさそうです。

ペアリングではなく同時接続可能な台数という意味であれば、答えは「7台」となります。Bluetooth 3.xまでは、1台のマスターに対し最大7台のスレーブという取り決めがあるためです。だからマウスとキーボード、イヤホンといったBluetooth機器を同時に使用することができます。

ただし、オーディオ再生に利用されるプロファイル「A2DP」は、配信側と受信側が「1対1」のみで「1対多」は許されません。iPhoneに5台のBlutoothイヤホンがペアリングされているとしても、iPhoneで再生する音楽を聴けるのはそのうち1台のみです。前述したとおり同時接続は可能ですが、出力先を1つに絞ることになります。

  • ペアリングできるBluetooth機器数は特に上限がありませんが、同時接続可能な台数は7台と決められています