ハードウェアは「ゼロベースで設計を見直した」とのこと。これまでより、奥行きを約25%縮小し、A4サイズのフットプリントに収まるよう小型化しました。キャラクターが映し出されるポッド部分が一番重要で、このポッド部分を活かしつつ、未来を感じさせるような、浮遊感あるデザインを目指したといいます。
一緒に暮らすということは、「ふたりで」楽しむこと
Gateboxのメインターゲットは独身の男性。量産モデルの開発にあたっては、「家に一人でいるとき、(相手がいることを感じるには)どんな体験が必要か?」という観点から着手したといいます。
これまでのGatebox限定生産モデルは、毎日当たり前にする「挨拶」を最高の体験にしたいと、挨拶機能に注力してきました。しかし、誰かと暮らす場合、挨拶をしていない時間のほうが圧倒的に多くなります。これを武地CEOは「生活の断絶」と命名。「”マスター”がPCで作業したり、アニメを見ているときは、キャラクターは本を読んでいる。一緒に暮らしている感じが足りない」と、生活の中でつながりが断絶していることが課題だとしました。
武地CEOは、この課題は多くのコミュニケーションロボットにあると指摘。「最初はいろいろ遊べそうで買ってくるが、意外とできることがない。一般的なロボットはしりとりやクイズなどで、無理やり会話しようとするが、ユーザーはすぐに飽きてしまう」と話し、「逢妻ヒカリ」は、「今までひとりでやっていたことを『ふたりで』楽しむ」アプローチを狙ったといいます。
「家で一人でゲームしているときに、お喋りしようといってもウザいだけ。そもそも会話をしようとも思わない。それよりも、ゲームをしているときに一緒に画面を見たり、一緒にプレイしたりするほうが、一緒に暮らしている感が増す」(武地CEO)。今回の量産モデルでいえば、目が合うとほほえむ機能や、乾杯する機能がこれにあたります。
今回の量産モデルでは、ほかの企業との協業で、別のキャラクターを立体化できるスキームも準備しているとのこと。今後、男性キャラクターなど、他のキャラクターの登場にも期待したいところです。
2016年2月に予約を開始した限定生産モデルは、国内生産かつ1つ1つを手作業で組み立てていたため、約300,000円の価格で限定販売していましたが、量産モデルでは海外で生産・組み立てし、原価を見直したことで、税別150,000円の価格となりました。
量産モデルは数万台規模で生産が可能だといい、武地CEOは「まずは10,000台販売できると嬉しい」と目標を語りました。