オリンピックの開催される2020年、PCにとって大きな変換点が発生する。Windows 7のサポート終了である(1月14日)。本稿から数回にわたり、その日に向けて、対策やヒント、有益な情報などを提供していきたい。第1回目は、AOSデータが開催したファイナルパソコン引越しの説明会の内容を紹介したい。最初に登壇したのは、AOSデータの代表取締役社長・春山洋氏である。

  • 図1 AOSデータの代表取締役社長・春山洋氏

春山氏からはAOSデータの事業紹介などが行われた。

2019年は多忙な1年になる可能性が

次いで登壇したのは、マイクロソフトのMicrosoft 365ビジネス本部・藤原正三氏である。

  • 図2 マイクロソフトのMicrosoft 365ビジネス本部・藤原正三氏

まずは、Windows 7のサポート終了について、改めて紹介を行った。2020年になってからでは、間に合わないことを指摘する。つまり2019年のうちに、Windows 10への移行を行う必要がある。しかし、2019年は非常に多忙な1年となるだろう。

  • サミット(大阪)
  • ラグビーワールドカップ本大会
  • 元号改正
  • オリンピックへの準備

といったことが予定されている。特に、元号改正では、大きな混乱を招く可能性もある。そんな中、着実に移行を進める必要がある。

Windows 10の最新情報とモダン管理

藤原氏は、Windows 10が登場以来、ほぼ半年に1度のペースで、大きなアップデート(機能更新プログラム)を行っていることを紹介した。これは、数年に1度のアップデートでは、セキュリティ対策が追い付かないことを理由として挙げていた。

  • 図3 Windows 10のセキュリティへの取り組み

図の薄い赤の部分が、セキュリティのギャップとなる。高度化する脅威に対し、製品が追い付いていないことを示すものである。そこで、半年ペースでアップデートを行うことで、ギャップ埋める、さらには先回りすることを目標としている。

次いで、Windows 10の最新情報が紹介された。1つめは、タイムラインである。これは、過去30日間に開いていたファイルを時系列で表示する。

  • 図4 タイムライン

ファイルを探す際に「あの時に使ったファイルはどれだった?」といった探し方をすることが多い。そのようなニーズに応える機能である。そして、将来、実装される新機能のスマートフォン上のタイムラインやYour Phoneという機能である。

  • 図5 Windows loves all your device

Your PhoneはWindows上で、スマホなどの機能をシームレスに利用可能にするものだ。実際に、メッセージをWindows上でやりとりしているデモが紹介された。

  • 図6 メッセージをWindowsで作成

モダン管理であるが、Windows Update for Businessについて紹介したい。従来、企業においてWindowsの更新は、WSUSやSCCM(Microsoft System Center Configuration Manager)などの利用で更新が行われていた。しかし、ネットワークの負荷や管理に対する負担に問題があった。そこで、Windows Update for Businessでは、直接更新ファイルをダウンロードする。

  • 図7 SCCMからWindows Update for Business

個々のデバイス管理には、MDM(Mobile Device Management)やWindows Analyticsで提供される無償のサービスのUpdate Complianceを使うことを推奨している。

  • 図8 Windows Analytics Update Compliance

今回のサポート終了で、こういった新たな管理体制へ移行するチャンスとも、藤原氏は指摘していた。図9は、従来型とモダン型の比較である。

  • 図9 従来型とモダン型の比較

他にも、ネットワークの負荷の軽減、プロキシを廃止し、意味のあるセキュリティ対策などを紹介した。