この一連の操作ができるようになるインタラクティブ通知は、Apple Watchからも利用可能になる。

  • watchOS 5の新機能として紹介されたインタラクティブ通知は、iOS 12でも対応している。アプリを開かず、通知内での情報の編集や操作が可能だ

これまでも、Apple Watchに届いた通知にボタンでリアクションを取ったり、音声入力を駆使して通知からメッセージの返信は行えたが、次期watchOSでは、さらに、アプリを介さず、Apple Watchの通知画面から、前述の例で言えば予約の変更もできるようになる。

Apple Watchは、スクリーンタイムの削減にとって、最も有効なデバイスだと位置づけられよう。もちろんApple Watchもスクリーンであり、それをカウントしないのは少しずるい気もするが、その一方でApple Watchを10分見続ける、というシチュエーションも考えにくい。

Apple Watchの用途が拡大し、iPhoneの役割をApple Watchに移行する場面が増えることで、スマホ中毒の問題を解決できれば、Apple Watchの役割を際立たせられるという算段だ。

しかしApple Watch向けのアプリがそこまで活況なわけではない。例えば、TwitterのWatchアプリはさほど出来が良いとは言えず、ついには公開を取りやめた。またいくつかのECサイトがリリースしていたWatchアプリも撤退するなど、まだ黎明期にあるスマートウォッチアプリの試行錯誤が続いている。前述のスクリーンタイム削減に効果的なApple Watch活用と、撤退が続くアプリ開発者の動きはアンバランスな局面にあると言える。そこでAppleは、WatchアプリなしでもApple Watchを活用できる通知の拡張に取り組んだ、というわけだ。

ややもすれば、整合性のない施策のようにも見えるが、これらは、次の展開を見据えてのことだと想像される。watchOS 5とiOS 12の通知における連携によって、対応アプリが増加するとなれば、iPhoneに頼らずとも、快適なアプリ体験を作り出すことへもつながることだろう。