米Mozillaは6月26日 (現地時間)、Firefox安定版のアップデート「Firefox 61」(Windows/Mac/Linux)の提供を開始した。Quantum CSSの改善などでパフォーマンスの向上を図り、アドレスバーの検索機能やWebExtensionsに利便性を向上させる新機能を追加した。
パフォーマンス面は、Quantum CSSのスタイルシート解析やパーシング機能の処理を並列化して、ページレンダリングの高速化を実現した。またRetained display listを導入して、レンダリング処理の重荷となっていたディスプレイリスト構築を軽減させた。これまでスクリーンの表示内容に変更が生じた時にディスプレイリストを全て構築し直していたが、ローカルで管理する既存のリストと照らし合わせて再利用し、変更された部分のみ新しいリストを構築することでレンダリングを効率化、リスト構築によるドロップフレームを40%近くも削減できたという。
他にも、タブにポインタをホバリングさせた時点で内容を先読みして、タブ切り替え時の表示を高速化する「Tab warming」をWindows版とLinux版に導入。Mac版では、WebExtensionsが独立したプロセスで動作するようになった。
アドレスバーの検索機能は、WebサイトがOpenSearchプラグインを提供していたら、ページアクション・メニューから、そのサイトの検索エンジンを追加できる。たとえば、はてな検索はOpenSearchに対応しており、はてな検索を開いた状態でページアクション・メニューから「検索エンジンを追加」を選ぶだけ、「検索エンジン:」ツールの設定で対応アドオンを探すことなく追加可能だ。デフォルト以外の検索エンジンを使った検索機能のカスタマイズをより簡単に行える。
また、FirefoxのWebExtensionsではこれまで利用できなかったタブ非表示機能のサポートが実現した。たとえば、表示する必要のないタブを整理したい時、「Hide Tabs」という拡張機能を使うと、音楽を再生しているだけのタブなどを隠せる。
セキュリティ面では、最新のTLS 1.3ドラフト仕様をデフォルトでサポート。http/httpsページ内でFTPサブリソースのローディングをブロックするようになった。