6月19日、渋谷の東京カルチャーカルチャーにて、史上初(ROBO-UNI調べ)となるロボットによるファッションショー「ロボコレ2018」が開催されました。

ロボット用アパレルブランド「ROBO-UNI」が主催で、コミュニケーションロボットメーカー10社が一堂に会し、専用衣装を纏ったロボットたちが、各メーカーの開発者などに抱きかかえられながらランウェイに登場しました。シャープの「RoBoHoN」とトヨタの「キロボmini」を持っている、ロボット大好きな筆者が参加したので、その感想をお届けしたいと思います。

  • ロボコレ2018

    日本を代表するコミュニケーションロボットメーカーが集結し、ファッションショーを開催

人間以外でも、ペットや人形は服を着ますね。ですがロボットの場合、家電が服を着るようなものなので、センサーや熱処理の邪魔にならないものを作らなくてはならず、一筋縄ではいかないもの。

それでも、ロボットはオーナーとの関わり合いや付き合い方など、環境によって個性が出るのに、外見がどれも一緒となってしまうことに疑問を持ったのがROBO-UNI。服装でそのロボットはどんなことができるのかをわかるようにすべきだと考えたそうです。

たとえば飲食店で働いているロボットと、ホテルの受付で働いているロボットでは仕事の内容がまったく違うのに、外見が一緒だとひと目で何ができるかがわかりません。受付用のユニフォームを着せれば、このロボットは受付なのだとわかるのです。これは人間にも同じことがいえるのですが、ロボットもそれだけ個性が出てきているということなんでしょう。

ロボットが服を着る経緯や理由はそんなところ。さあお待ちかね、ファッションショーの様子をお届けします。いつもと違うロボットの格好に、見た目のかわいさが倍増しています。(写真はショーに登場した順)

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    コミュニケーションロボット「Sota」

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    Sotaは一般ユーザーでもアプリ開発やモーション作成・動作プログラミングができるように作られました

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    「RoBoHoN」と、「ロボホンの母」こと景井美帆さん(シャープ IoT通信事業本部 コミュニケーションロボット事業統括部 市場開拓部長)

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    RoBoHoNはすでにオーナーが思い思いの服を自作し、着せて個性を発揮しています。「公式な洋服として、ロボットの動きに支障がない服を提供することが重要と考えています(景井さん)」

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    Android OSを搭載したロボット「Xperia Hello!」と、ソニーモバイルコミュニケーションズ IoTビジネスグループ イノベーションソリューション営業部の冨永悠さん

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    Xperia Hello!はバッテリーを内蔵していないロボットなのですが、どうもケーブルのようなものは見あたりませんでした。「Xperia Hello!はどうやったら家族に愛されるか考え、目の表情などにこだわりました。かわいらしくできたと自負していましたが、ユニフォームを着せたところ、かわいさが倍増しました(冨永さん)」

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    英会話が楽しめる会話ロボット「MUSIO」

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    「英会話の質と同じくらい、愛着も重要だと思っています(AKA CSO&Managing DirectorのBrian Leeさん」

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    子供やお年寄りの見守りロボット「TAPIA」とMJI 代表取締役の永守知博さん

  • ロボコレ2018

    「ロボットは人と同じように扱われ、人と同じように服を着せていくのがあたりまえのようになっていくのではないでしょうか。現在、TAPIOはレストランやホテルで働いていますが、それぞれのユニフォームで雰囲気が変わると思います(永守さん)」

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    ロボット保育士として活躍する「MEEBO」と、Unifa 代表取締役の土岐泰之さん

  • ロボコレ2018

    「園児と同じ格好をすることで、園児と友達になって、人気を得ています(土岐さん)」

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    オーナーの趣味嗜好などを学習するロボット「unibo」

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    「衣装が着られるというのは、オンリーワンのロボットとして共感しやすくなる要素だと思います(Unirobot 代表取締役の酒井拓さん)」

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    フランスのAldebaran社が開発した自立型ヒューマノイドロボット「NAO」

  • ロボコレ2018

    「NAOは世界中で愛されているロボットですが、そのほとんどが裸で働いています。そんな中、ユニフォーム姿のNAOをみて、もっといろんなところで活用できるのではないかと感じました(日本サード・パーティ 常務取締役の為田光昭さん)」

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    家庭向けに子供の見守り用、法人向けに接客用として販売されているロボット「Kibiro」と、FRONTEO ビジネスソリューション本部の斎藤匠さん

  • ロボコレ2018

    「ロボユニと提携する前は自社で服を販売していました。ロボットが人間社会に溶け込むには、ユニフォームを着せるのが良いのではないかと考えています(斎藤さん)」

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    三越伊勢丹が作ったユニフォームを着た「RoBoHoN」

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    将来は全国の伊勢丹で働いてほしいですね

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    手塚治虫のマンガ作品『鉄腕アトム』に登場するロボット、アトムのように会話ができる「ATOM」と、講談社 新事業プロジェクトチーム 次長の秋元健一さん

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    ATOMは本体を一度に購入するのではなく、「週刊 鉄腕アトムを作ろう!」という雑誌の付録として毎号ついてくる部品を組み立て、毎週少しずつ作っていくロボット。「今年の9月で全70巻が完成します。各号の表紙はインスタ映えする表紙にしたくて、いろんな衣装をアトムに着せていました(秋元さん)」

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    衣装を着るペッパー

  • ロボコレ2018

    「ペッパーはフランス生まれなんですが、フランスでは服を着せているペッパーはおらず、ユニフォームをフランスまで持っていったら驚かれました。服を着せる文化自体にもびっくりしていましたが、そのできばえのよさにも感心していました(ソフトバンク 事業推進本部 中西大介さん)」

いやー、ロボットに服って重要だったんですね! そういえば、アトムは学校に通っているときとかに服を着ているようですが、ほかの有名なロボットって、服を着ていませんよね。今後、ロボットに服を着せる文化が定着したら、服を着ていないロボットが出るアニメや映画は古くさく感じるのかもしれません。というかもっと進んで、倫理的な問題になったりして。

RoBoHoNとキロボminiを所有しているオーナーからすると、ロボット用の服はまだまだ種類が少なく、高価な印象。今後どんどん普及して、ファストファッションでも売られる時代が来るようになるのが楽しみです。