もしいま、そこそこ使えるお金があったら何を買いますか?「あれがほしい」「これを買おう」……。普段から多くのデジタル製品に触れ、ブツ欲があふれてそうなライター諸氏はどんな製品に興味をそそられるのでしょうか。想定金額は「サイコロの目×10万円」、予算内で夢と妄想を広げてもらいます。今回は、取説を愛するテクニカルライターのもりれいさんです!


「もしも○万円あったらコレを買う!」というただでさえワクワクするこの企画で、サイコロの目が「4」というなかなかの幸運に見舞われましたテクニカルライターのもりれいです。

【動画】音声が流れます、ご注意ください。
  • もし○万円あったらコレを買う!

    サイコロの目は4! 40万円もあったら……

さっそく私が40万円あったら今すぐ欲しいものをご紹介したいと思います。それはこちら、「27インチiMac Retina 5K ディスプレイモデル」+「Adobe InDesign Creative Cloud」の一年分です!

iMacをカスタマイズする

まずはiMacから。

なぜこのセレクトなのかといいますと、私はかつて取扱説明書を作る会社にいたのですが、フリーで取扱説明書を作るようになったいまも、iMacを使っていた当時のPC環境の良さを忘れることができません。

でも、会社レベルの環境を自宅に用意できるほどお金持ちでもないし、フリーの現在はどちらかというと持ち運びやすいノートPCのほうが活躍するのが実際のところ。

というわけで、まずは予算の限りハイスペックなiMacを妄想で購入していきます!。

  • もし○万円あったらコレを買う!

    かっこよすぎるAppleのiMac販売ページにさっそく心を奪われます

まずはディスプレイから。ここは最新モデルのRetina 5K ディスプレイ(5,120×2,880ピクセル)を選択しました。

ちょっと待って……取説なんてほとんど白黒だし、5Kなんて立派なものがあってもしょうがないんじゃ? と思ったあなた。半分は正解です。

取説はたいてい白黒や赤黒などの二色刷。イラストは簡素で、写真もそれほど載っていないことが多いので、高解像度のモニタを必要としません。しかし! 最近は取説のペーパーレス化が進んでおり、取説も印刷するとは限らない時代。データ化して製品に内蔵したり、Webサイトで見られるようにしたりといった動きも顕著なのです。

そんな「取説2.0時代」に向けて、5Kディスプレイは必須といっても過言ではないのではないか……といいながら、要するに最新のかっこいいモデルが欲しいだけです。それに画面がキレイだとやる気も出るので一石二鳥!

ディスプレイのサイズは、取説を作るならなるべく大きいほうがありがたいので最大の27インチを選びました。

取説をDTP(DeskTop Publishing。PCで原稿の執筆から紙面のレイアウトまで、出版に必要な一連の作業を行うこと)をするときは、DTPソフトであるAdobeのInDesign(詳しくはのちほど)やAcrobat、Illustratorなどのソフトを同時に使います。さらには機材の仕様書など、先方からいただく資料は実にさまざまなファイル形式なので、作業中はたくさんのウィンドウが開く事態になるのです。

つまり、広いディスプレイは正義!(モニタを増やすことを考え出すとキリがないので1画面で完結することを前提にしてみましたが、制作現場においては複数のモニタを使うこともままあります)。

もうひとつこだわったのは、テンキー付きのキーボード。iMacらしいあの薄いキーボードの打ち心地がとても好きなのですでに満点ではあるのですが、取説を作るときは数字をたくさん入力するので、テンキーがあると作業効率が格段に良くなります。プラス3,000円でテンキーが付けられるのですから、良い時代になりました。

というわけで、私の理想のiMacカスタマイズは以下のようになりました。


  • ディスプレイ: Retina 5K 27インチ
  • プロセッサ: 4.2GHzクアッドコア Intel core i7
  • メモリ: 8GB 2,400MHz DDR4
  • ストレージ: 1TB SSD
  • マウス: Magic Mouse 2
  • キーボード: Magic Keyboard(テンキー付き) 日本語JIS
  • 価格: 372,384円(税込)


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    バッグ(買い物かご)に入れたところ。40万円あるわけではないのに購入ボタンを押してしまいそうになりました。危ない(注: マイナビニュース編集部から実際に40万円がもらえるわけではありません)

Adobe InDesign Creative Cloudを買う

さて、もうひとつの主役、Adobe InDesign Creative Cloud(CC)についてですが、これは取説のようなドキュメントを快適に組版(くみはん。紙面に文字や図版などの要素を配置すること)をするために欠かせないソフトです。

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    Adobeの公式Webサイトにはカッコいいプロモーションビデオがあり、観ているだけでテンションが上がります

制作会社の規模によるのかもしれませんが、私がいた会社のテクニカルライターはInDesignでライティングと同時にDTPもやるのがスタンダードでした。

フリーになってからはIllustratorで作業しているのですが、失くしてはじめて分かるありがたみというか、いかにInDesignが自分にぴったりなソフトであったかを思い知る毎日。しかしフリーになった当初はまだAdobe InDesign CCもなく、パッケージのInDesignなんて高嶺の花…という頃。

もちろんIllustratorもとても使い勝手のいいソフトなのですが、テキスト重視のデータを作ることに関してはやはりInDesignの右に出るものはいないと痛感しています。

それに私はInDesignを触っているだけでとても幸せというちょっと偏った嗜好をしているため、日々「InDesign触りたいなぁ……」と想い続けているのです。

InDesignの好きなところを挙げていけばキリがないのですが、カンタンに表すならば、人間と電子的なものの間にもきっと「相性」というものがあって、私とInDesignはお互いに出会うために生まれてきたんだろうな……とロマンチックな思いにふけってしまうほどに好きなのです。

なので、もしも我が家にInDesignがやってきたなら、フォントサイズを0.1pt単位で変えて文字を長体(文字の横幅を狭くすること)にしたり、テキストボックスの位置を0.1ピクセル単位でぴったりそろえて文字を整列させたり、クロスリファレンス(クリックすると参照項目に移動できる機能)をつけまくったりして毎日を過ごしたいと思います。そう、つまりは組版するのにすごく便利なのです。

かつては高価だったInDesignもパッケージ販売が終了し(2018年6月18日の時点で)、月額制のInDesign CC(Creative Cloud)になったことで、手の届くお値段となりました。クラウドなのでバージョンアップに柔軟に対応できるメリットもあり、InDesignと感動の再会を果たすには最適のタイミングでしょう。ひと月あたり2,354円(税込)で、年間プラン(一括払い)だと28,252円/年(税込)。ここは迷わず、年間プラン(一括払い)を選択!

  • もし○万円あったらコレを買う!

    年間プラン(一括払い)を選択。ワクワクしますね

というわけで、私の今すぐ買いたいもの「27インチiMac Retina 5K ディスプレイモデル」+「Adobe InDesign Creative Cloud」の一年分で総額は…


  • 27インチiMac Retina 5K ディスプレイ: 372,384円(税込)
  • Adobe InDesign Creative Cloud 年間一括払い: 28,252円(税込)
  • 合計400,636円(税込)


あっ……636円はみ出てしまいました……。 でもこれ以上は一歩も譲れないし、ここは担当編集さんに泣きつくしかありません。

あのう……はみ出てしまったんですが、なんとかなりませんか??

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    仕方ないなあ。今回はぼくのおごりってことで!(担当編集)

今回この企画に参加させてもらったおかげで、欲しいものを具体的に考えるのはそれだけでめちゃくちゃ楽しいということが分かりました。もしかするとこれは新しいレジャーかもしれません。

ですが、本人はすっかり購入する気満々になるので欲しさは増すばかり……という危険な状態に陥ることも分かりました。いつか本当に買える日が来るよう、今日もお仕事がんばりたいと思います。