まず、NFCを使ってSBH90CとXperia XZ2のペアリングを済ませると、イヤホン側が最高音質のオーディオコーデックであるaptXを自動で選択します。

  • NFCによるワンタッチペアリングに対応。イヤホンはネックバンドの先端からではなく途中から引き出されるデザインなので、装着した時に突っ張る感じがしません

SBH90Cには9mm口径のハイレゾ対応ダイナミック型ドライバーが搭載されています。コンパクトでありながら入力された音楽信号に対する感度が鋭く、力強い駆動力を持たせているところが大きな特徴です。ハウジングにはドライバーから生まれる背圧を調整して、切れ味のよい低域を再現するために小さな孔(通気口)が搭載されています。

BluetoothとUSBの音の違いは「パワフル」さ

ボーカルは音像が立体的で輪郭をクッキリと鮮やかに描きます。中高域は余韻がとても艶っぽくしっとりとしています。空間の再現力が高くワイドに音場を広げられるところはソニーのハイレゾ対応イヤホンh.earシリーズにもキャラクターがよく似ていると思います。

本体左側の先端にUSBケーブルを接続して、Xperia XZ2とのペアでハイレゾ再生を確かめてみます。SBH90CのUSB端子はキャップレスでむき出しなので、Bluetooth再生の時には少し見栄えが気になってしまいますが、USBケーブルを接続すると目立たなくなります。ケーブルはスマホをポケットに入れてちょうどよいぐらいの長さ約1.1m。

  • Xperia XZ2など、アナログイヤホン端子のないスマホとはUSBデジタル接続で音楽リスニングを楽しむことができます

  • USBデジタル接続はパッケージに付属する専用ケーブルを使います

Bluetooth接続のサウンドを意識しながら比べて聴くと、USBデジタル接続の方が段違いにパワフルで、サウンドイメージの立体感がグンと引き立ってきます。USB接続の場合はハイレゾ対応のDACとアンプを介することになるぶん、底力に違いが出てくるようです。ロックやジャズのアグレッシブな演奏を聴くと、弾力感があふれるベースやドラムスの音の迫力が心地よく鼓膜を刺激してくれます。イヤーピースによる遮音性も高いので、地下鉄やバスなど騒音に囲まれる場所でも十分にクリアなサウンドが楽しめそうです。

  • Xperia XZ2にUSBケーブルを接続。Bluetoothワイヤレス接続と音質を聴き比べてみました

給電もOK!! USB接続イヤホンの先駆け的存在

SBH90CはUSB Type-Cを搭載するスマホと一緒に使う時はデジタル有線接続、またはBluetoothによるワイヤレス接続が選べたり、ハイレゾ対応やスマホからの給電もできる個性的なイヤホンです。

今後もUSB Type-C接続のイヤホンは他のオーディオブランドからも色んな工夫を凝らした製品が充実してくると思います。アメリカの人気オーディオブランド、シュアからはMMCX端子を搭載する様々なイヤホンに着脱できるリケーブル「RMCE-USB」も発売されます。

  • USB接続中はイヤホンのバッテリーが常に充電されるので、「バッテリーが切れていたのでBluetoothリスニングができなかった」という不便なことがなくなります

USB接続のイヤホンを選ぶときに一点注意したいポイントがあります。それはスマホなど音楽プレーヤーとして使う機器との互換性のこと。

iPhoneの場合、アップルが対応するアクセサリーの仕様について厳格なルールを決めているため、少なくともMFi認証を取得している製品についてはLightning直結タイプのデジタルイヤホンが正しく動作する安心感があります。

ところがAndroidの場合は端末の仕様がメーカーによって若干異なっていたり、OSの世代によっても動作に影響がでる場合があります。購入前にはできる限りメーカーが公開している互換性試験の結果をチェックしたり、店頭に展示されている実機を使って問題なく使えることを試してみることをおすすめします。

  • BluetoothリスニングならiPhoneやポータブルオーディオプレーヤーとの組み合わせでも楽しむことができます