ソニーからUSBデジタル有線とBluetoothワイヤレス、2通りの接続パターンが選べるイヤホン「SBH90C」が、6月23日に発売されます。今回は発売前の予習として、本機の使いこなし方をレポートしながら、USBデジタル接続に対応するイヤホンのメリットを考えてみたいと思います。

  • Bluetooth+USB接続に対応したソニーのイヤホン「SBH90C」。量販店での実勢予約価格は21,500円前後

SBH90CはネックバンドスタイルのBluetoothワイヤレスイヤホンでありながら、パッケージに同梱されている専用ケーブルを使うと、Androidスマホに増えているUSB Type-C端子を搭載したスマホに有線接続ができる2Wayハイブリッドスタイルの、あるいは今ふうに言えば二刀流のイヤホンです。

イヤホン端子がスマホから消えた結果……

2016年秋にアップルが発売したiPhone 7シリーズ以来、本体の防水・防塵性能を高めるため、あるいはデザインのスリム化を図るためにアナログイヤホン端子を省略したスマホが増えています。Android端末の場合はデジタル接続端子にUSB Type-Cを採用する機種が増えており、例えばソニーのXperiaやサムスンのGalaxy S/Note、LGのV30、ファーウェイの最新モデルであるP20 Proなどが代表格です。

  • SBH90Cは、アナログイヤホン端子のないXperia XZ2とともに、2018年の「MWC 2018」で発表されました

ソニーのイヤホンSBH90Cは、今夏の新機種として国内3大キャリアが発売することになったソニーのAndroidスマホ「Xperia XZ2」と時を同じくして登場します。Xperia XZ2はソニーのXperiaシリーズとして初めて本体からアナログイヤホン端子を取り払って、音楽再生をUSBデジタル接続、またはBluetoothによるワイヤレス接続に絞り込んだスマホとしても注目されています。

USBデジタル接続で音質はどうなる?

アナログイヤホン端子を省略すると、スマホのオーディオ再生にとって必要なパーツの点数を簡略化できて、デザインのスリム化や気密性アップにもつながると言われています。音質的にはデジタル接続になると音の解像感や左右の分離感、音像の立体感が高まる効果が得られます。SBH90Cのように、USB接続の場合はハイレゾ対応のDAコンバーターや専用のアンプを介しながら明らかな音質の違いを引き出して、アピールしてくるイヤホンも今後増えるはずです。

でもやはり、スマホとイヤホンによる音楽リスニングは「ワイヤレスであることの利便性」に勝るものはないかもしれません。USB Type-Cによる接続に限定してしまうと、ほかに組み合わせるスマホやオーディオプレーヤーが限定されてしまうので、SBH90CはBluetoothによるワイヤレス接続にも対応しました。オーディオコーデックは標準的なSBC、iPhoneと相性のいいAAC、音質に定評のあるaptXまで広くサポートしています。NFC対応の機器どうしならペアリングもワンタッチ。クリアなハンズフリー通話が楽しめるマイクも内蔵しています。

ネックバンドスタイルの本体はしなやかに曲げられるので、身に着けた状態で本体のリモコンが操作しやすい所も特長。持ち運ぶときには付属のポーチにまるめてコンパクトに収納できます。細身のイヤホンケーブルはネックバンドの先端からではなく、途中から引き出すスタイルなので、イヤホンを耳に装着した時に突っ張る感覚もありません。音楽を聴かない時にはイヤホンのハウジングを背中合わせにしてペンダントのようにして身に着けられます。

  • イヤホンは背中に搭載しているマグネットを重ねてペンダントのようなスタイルで身に着けることができます

内蔵バッテリーによるワイヤレス音楽再生は最大7.5時間対応ですが、USB接続でリスニング中には常時スマホから給電を行っています。Xperia XZ2などUSB接続のスマホと一緒に使う場合、いつでも音楽を聴きながらイヤホンを充電できます。つまり「ワイヤレスイヤホンのバッテリーが切れていて音楽を聴きたいときに使えない」ということがなくなるわけです。

今回はSBH90Cのサウンドを、ソニーのXperia XZ2を用意して、はじめにBluetooth接続から確かめてみました。