ファーウェイ・ジャパンから、高性能ダブルレンズカメラを備えたスマートフォン、「HUAWEI P20」と「HUAWEI P20 lite」が発表されました。日本市場で高い評価を獲得した「P10」、「P10 lite」の後継機とあり、2018年夏モデルの中でも大きな注目を集めそうです。製品発表会と関係者の囲み取材の模様をお伝えしましょう。

  • ファーウェイのSIMフリースマホ「P20」「P20 lite」発表会

    ファーウェイ・ジャパンがSIMフリー端末「HUAWEI P20」「HUAWEI P20 lite」を発表しました

HUAWEI P20 / P20 liteは、どちらも約5.8インチの大画面を搭載したSIMフリースマホ。発売日は6月15日で、市場想定価格はP20が69,800円(税別、以下同)、P20 liteが31,980円となっています。最大の特徴は背面のダブルレンズカメラ。特にP20にはライカ社の技術が投入されており、『色鮮やかで芸術的なイメージを描き出す』とうたわれています。というわけで、発表会はP20のカメラ性能の説明に多くの時間が割かれました。

  • ファーウェイのSIMフリースマホ「P20」「P20 lite」発表会
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    狭額縁18.7:9の縦長FHD+ディスプレイのHUAWEI P20。進化したライカのダブルレンズカメラが特徴です

他社製のスマートフォンにも、カメラ性能の高さをアピールするモデルが増えてきました。そこでファーウェイでは「ライカレンズ」以外に、次の2つの側面でも差別化を図っています。ひとつはイメージセンサーの大きさ。P20は大きなピクセルサイズで多くの光を取り込めるため、暗所で(三脚を用いなくても)鮮明な写真が撮影できると訴求します。

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    センサーのサイズはGalaxy S9+より110%、iPhone Xより125%も大きく、これにより暗所でも鮮明な写真が撮影できます

もうひとつがAIによるアシスト機能。19種類のシーンや被写体をAIが認識して、最適なカメラ設定で撮影することができます。この機能を実現するため、1億枚を超えるサンプル画像に基づく学習データがインプットされているとのこと。

また水平線の認識、集合写真の構図のガイドも表示できます。ここまでくると、まるでカメラ教室の先生に教わるような感覚です。さらには4D予測フォーカスにより、被写体の動きを予測。例えば風に揺れる花びらも、自動追尾で的確にフォーカスを定めることができるようです。

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    AIがユーザーの写真撮影をアシスト。まるでカメラ教室の先生が常駐しているような感覚です

ライカのダブルレンズ×大型イメージセンサー×AIによるアシスト機能により、どんな写真が撮影できるのでしょうか。プレゼンで紹介されたのは、「三脚なし」の「露光時間5.4秒」で撮影された鮮明な夜景写真でした。条件を考えれば手持ちで撮影したとは考えにくく、おそらく橋の欄干などを利用して腕を動かないように固定したうえで撮影したのだろうと推察しますが、それにしても見事な写りです。

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    ライカのダブルレンズ×大型イメージセンサー×AIによるアシスト機能により、三脚なしでも夜景を鮮明に撮影できます

インカメラは約2,400万画素で、高精細なセルフィー撮影に対応します。ところで、従来のスマホには「ビューティー補正機能」を使用すると、不自然な補正がかかってしまうものもありました。そのあたりもよく考えられており、P20では進化した10段階のナチュラル補正を利用できるとのこと。このほか、顔を立体的に認識して陰影をつける3Dライティング機能も盛り込まれており、クオリティの高いセルフィー撮影を実現しています。

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    インカメラは約2,400万画素。進化した10段階のナチュラル補正や、3Dライティング機能によりクオリティの高いセルフィー撮影を楽しめます

プレゼンではカメラの性能のほかにも、いくつかの特徴的な仕様がライバル製品との比較を通じて紹介されました。ディスプレイは高輝度かつ低消費電力でiPhone Xより23%明るく、また狭額縁構造により同じ5.8インチの競合モデルよりディスプレイ占有率が高く、ノッチのサイズはiPhone Xより小さく、厚さは競合2モデルよりスリムなのにバッテリーは大容量、といった具合です。

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    ライバル製品との比較

このほかの特徴と、注意しておきたい点についても触れておきましょう。個人的に興味を抱いたのは、Dolby Atmosによるサウンド性能。P20はHi-Res Wireless Audioをサポートしており、USB-Cハイレゾイヤホンも同梱されます。またBluetoothヘッドホンを介したハイレゾ音源の再生にも対応。内蔵ストレージ(ROM)は128GBと大容量のため、お気に入りの音楽トラックを外に持ち出して楽しむことも可能です。

ところがmicro SDカードには対応していません。Type-C USB対応micro SDカードリーダー / ライターを接続すれば外部メモリとして認識できますが、このあたり注意が必要です。3.5mmイヤホンジャックが非搭載なのも気になります。代わりにType-C USB対応の変換アダプタが同梱されます。このほか、P20はKDDIの移動体通信網に対応しておらず、au系のSIMカードを挿しても利用できません。

  • ファーウェイのSIMフリースマホ「P20」「P20 lite」発表会

    P20はmicro SDカードに非対応。KDDIの移動体通信網にも非対応のため、注意が必要です

これで3万円台とは安い!

一方でP20 liteは、スリムボディに高機能を詰め込んだモデル。販売価格が3万円台前半に設定されているのが嬉しいところです。ターゲットに想定しているのは、価格に敏感な若者、ビジネスマン、女性、デザインや使い心地にこだわる層など。プレゼンでは1,600万画素のインカメラによる3D顔認識機能、自然な肌色で撮影できるナチュラルビューティーアルゴリズム、暗い場所でのセルフィーを得意にする4in1ライトフュージョンといった機能が紹介されていました。

  • ファーウェイのSIMフリースマホ「P20」「P20 lite」発表会

    スリムボディに高機能を詰め込んだP20 lite

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    インカメラによる3D顔認識機能、自然な肌色で撮影できるナチュラルビューティーアルゴリズム、4in1ライトフュージョンなどセルフィーの機能が充実しています