ASUSTek ComputerのAndroidスマートフォン「ZenFone 5」は、AI機能をアピールするミドルレンジのスマートフォンです。2014年10月に同じ名称の「ZenFone 5」が発売されていますが、直接の後継機種というわけではありません。ただ、ASUS自身が発表会のタイトルを「Back To 5」と名付けるように、初代ZenFone 5と同じくらいの成功とインパクトを目指しています。
ZenFone 5は、本体サイズがW75.6×D153×H7.7mm、重量が約165gで、ディスプレイに6.2インチワイドSuper IPS+液晶を搭載します。解像度は2,246×1,080ドット。アスペクト比ははやりの19:9とされていますが、正確には約18.7:9です。これは後述する「切り欠き(ノッチ)」分のサイズを考慮したものです。プロセッサはQualcomm Snapdragon 635で、メモリは6GB、ストレージは64GBとなっています。
6.2インチディスプレイというと、例えばサムスンのGalaxy S9+が同じサイズですが、高さで約5mm、幅で約1mm、厚さで約1mm小さく、重さでも20gほど軽くなっています。実際に持ったところ、大きさの割に持ちやすい印象です。5.5インチのiPhone 8 Plusよりもコンパクトなので、扱いやすいサイズだと感じます。
ディスプレイは、上下左右ともに本体サイズギリギリまでを占有するタイプで、上部にはインカメラを配置したノッチがあります。iPhone Xが登場して以来、画面を上部ギリギリまで拡大するのがいいのか、ノッチを設ける方がいいのか、デザイン上の問題がつきまといますが、ZenFone 5ではこのノッチを採用しつつ、設定で「ノッチを隠す」という機能を盛り込んでいます。
これは、ノッチの左右にある画面部分に対して、ノッチと同じ高さ分の黒い帯を表示する、というものです。もともと、ノッチの左右にはアンテナピクトや時計、バッテリー残量などが表示される通知領域になっています。この部分の背景を黒くすることで、ノッチを目立たなくする手法です。ファーウェイなども同じやり方を採用しています。
黒が引き締まったディスプレイなので、真正面から見るとほとんど違いが分からず、ノッチがほとんど目立たなくなります。ただこの場合、スクリーンキャプチャをすると、上部に黒い帯が表示されるためコンテンツサイズは86ドット少なくなります。
それでも、画面サイズは大きく、広い表示領域を持ちます。コンパクトかつ軽量なボディと合わせて使いやすい端末です。最近は多くなってきましたが、デフォルトでケースもついているのは安心感が高いでしょう。イヤホン端子が用意されているのも、昨今ではポイントになるかもしれません。
幅広い周波数に対応するネットワーク機能
スマートフォンで大事なネットワーク周りは、対応周波数帯が広く、LTEはB1/B2/B3/B5/B7/B8/B18/B19/B28/B38/B39/B41、3GはB1/B2/B3/B5/B6/B8/B19、GSMは850/900/1,800/1,900MHzをサポート。2CAにも対応します。デュアルSIM端末であり、どちらも4GやVoLTEをサポートしている点も特徴です。
デュアルSIM対応で、au系のSIMを2枚挿して同時待ち受けできるので、auのSIMで音声、mineoなどのau系MVNOでデータ通信をメインに使う、といった場合にも使えて、特定のユーザーにとっては便利そうです。NTTドコモやY!mobileのVoLTEにも対応しています。
無線LANはIEEE802.11a/b/g/n/ac、Bluetooth 5.0にも対応。NFCは搭載しますが、日本のおサイフケータイは利用できません。
デュアルSIMや幅広いバンド対応、DSDV対応といったあたりは優秀で、国内のMVNOや海外旅行時のSIMフリー端末としても便利に使えそうです。