カメラでも活用されているAI機能は、他の部分でも活用されています。SoCはSnapdragon 636ですが、端末のしよう状況に応じてパフォーマンスを自動的に向上させるという「AIブースト」機能を搭載しています。

  • 通知領域からAIブーストのオンオフが可能

  • AIブーストオフの状態でベンチマークアプリを起動したところ、AIブーストが無効であるとの通知が表示されました

最大約15%の性能向上が可能としていますが、このぐらいの数字だと明確に分かるほどの差はなさそうです。念のため、ベンチマークアプリでのAIブーストオンオフの結果を掲載していますが、ある程度数字が向上しているようです。とはいえ、あくまでベンチマークの結果ですし、単に「ベンチマークに特化した性能」という可能性もあります。

バッテリー駆動時間に対するインパクトが予想されることから、重量級のゲームをするときだけAIブーストをオンにすると効果があるかもしれません。

  • AnTuTu BenchmarkにおけるAIブースト音(左)とオフの結果

  • こちらはGeekBenchにおける結果

ほかにも、AIを活用した機能として「AI充電」「AI着信音」もあります。AI充電は、いつも充電する時間を学習することで、「寝る前に充電を開始して、起床する時間までに充電を完了するように制御する」というものです。ゆっくり充電することで、バッテリーへのダメージを最小限にしつつ、起床時には満充電になるように制御してくれます。

  • AI充電の設定画面

AI着信音は、周囲の環境音のレベルに合わせて着信音を自動制御することで、着信に気づきやすくするというものです。

  • AI着信音の設定

使いやすさの面では、背面の指紋センサーと前面カメラを使った顔認証機能は便利です。指紋センサーはどのスマートフォンにも搭載されていますが、精度や認識速度は十分。顔認証に関しては、まず登録自体が一瞬で、簡単に登録できます。ただし、例えばiPhone XのFace IDほど高精度な登録をしていないので、セキュリティに関しては指紋や虹彩といった生体認証には劣ります。

  • 顔認証の設定画面

それでも、端末を持ち上げて顔の前に持っていくと認証できる速度と快適さは得難いメリットです。手袋をしていても、指が濡れていても使える点もポイントです。写真や似た顔でも認証されてしまう危険性とのトレードオフですが、そういった点を理解して使うのでしたらメリットはあるでしょう。

ほかにも、端末を持ち上げたりジェスチャーをしたりの動作で操作できるZenMotionなど、使い勝手を配慮した機能も豊富に搭載しています。

  • ZenMotionの設定画面

独自UIのZenUIは、他社に比べるとカスタマイズは抑え目で、奇をてらっていないですし、クリーンで違和感がないので、個人的には好きなタイプです。

全体として完成度は高く、パフォーマンスや使い勝手も良好。カメラは超広角が強みで、ゆがみの大きさやAFが使えないといったデメリットはありますが、狭い場所での集合写真や旅先の風景写真で威力を発揮しそうです。