パナソニックは、具体的な利用シーンとして倉庫や店舗における在庫管理業務を紹介。倉庫作業では、本体に内蔵したバーコードリーダーを用いて次々と在庫をカウントできることを示した。
店舗では、接客をしながらすぐに在庫確認ができることをメリットに挙げた。これまでは客を待たせてバックヤードのPCに走っていたが、ポケットサイズの端末ならその場で回答できるので、売上チャンスを逃さないというわけだ。
端末には業務用にカスタマイズされたAndroidを搭載しており、使い勝手は一般のスマホに近い。かつては業務用端末でもWindowsが主流で、パナソニックもWindows搭載モデルを展開していたが、最近ではAndroidの需要が急増しているという。
NTTドコモとKDDIが業務用端末で対抗の構図
倉庫や店舗の作業現場では、経験の浅いアルバイトが配置されることも多い。だがAndroidベースの端末なら、日常的に使っているスマホに操作感が近く、すぐに使いこなせる点も評価されているという。
また、FZ-T1の機能の一部を簡略化したモデルとして、NTTドコモが「TOUGHBOOK P-01K」を法人向けに展開する。対するKDDIは京セラ製のタフネス端末として、業務用やアウトドア用途に「TORQUE」シリーズを展開しており、ドコモとパナソニックはこれに対抗する構図となった。
かつては一般向けのスマホも手がけていたパナソニックだが、ここ数年、国内展開は途絶えている。だがTOUGHBOOKシリーズのハンドヘルド端末は、業務用スマホという市場で独自のポジションを確立したといえそうだ。