iOS 12でもっとも注目されていたのがデジタルヘルス、デジタルデトックスに関する機能だ。

  • iOS 12におけるスマホ中毒に対処する3つの機能。一番右のScreen Timeは、新アプリとして追加される

GoogleはGoogle I/O 18で披露した「Android P」に、「見逃す」ことを恐れるスマホ中毒の1つの傾向であるFOMO(Fear of missing out)を解消するため、ダッシュボードやアプリタイマーなどの機能を用意した。iOS 12では「Screen Time」と呼ばれる機能でデバイスやアプリの統計データと使用時間制限機能を提供した。

  • 様々な統計情報を表示でき、自分のスマホ利用の問題点が理解できるようになる

Screen Timeでは、スマートフォンの使用時間のうち、アプリのジャンルごとの色分けや、アプリごとの使用時間を表示してくれる。また一度iPhoneを見始めてから継続して見続けていた時間も割り出してくれる。この統計データは、自分のどんな行動、あるいはどのアプリがスマホ中毒の原因になっているのかを理解する助けになる。

  • アプリ制限は、あらかじめ設定した1時に地の制限時間を経過すると、そのアプリが利用できなくなる仕組み。無視することもできるが……

もし使いすぎているアプリを見つけて改善したいと思ったら、そのアプリの1日の使用制限時間を設定すれば良い。制限時間を過ぎるとアプリは起動できなくなる。無視して使い続けることもできるが、そのことは当然記録として残ってしまうのだ。

Appleがスマホ中毒対策に一歩踏み込んでいるのは、「通知の管理」というカテゴリーを含めている点だ。Screen Timeアプリでも、通知の回数、アプリごとの通知件数を、確認できる統計データに加えている。

iOSではこれまで「Do Not Disturb」で、通知を届かなくしたり、運転中を自動的に検出してオンにするといった機能を提供してきた。iOS 12ではこれに「ベッドタイム」モードを追加した。就寝時間以降の通知や通話は表示せず、朝起きたときにまとめて確認できるようにする。

ちなみに「Do Not Disturb」機能は日本語では「おやすみモード」と訳されている。確かにホテルの部屋のドアに、起こさないで欲しいときには「Do Not Disturb」の札をかけるが、単に邪魔しないで欲しいという意味合いであったため、日本語の「おやすみモード」は意訳過ぎることになる。確かにアイコンは睡眠を想起させる紫と三日月でデザインされているのだが。

今回Do Not Disturbにベッドタイム機能が追加されてしまったため、「おやすみモード」という機能名は変更した方が良さそうだ。

その他にも通知をアプリや会話スレッドごとにまとめたり、届いても確認していない通知をオフにするおすすめをしたり、手動で通知の受け取りをやめたり、受け取っても画面を点灯させないようにする、といった設定が行えるようになっている。