AppleがHomePodをどう展開しようと考えているのかを測る上で、少し引いた視点からHomePodが属するカテゴリーの現状を見ておこう。
Appleの決算の分類の中で、iPhone、Mac、iPadに次ぐカテゴリーとして設定されているのが「その他の製品」部門だ。前回の記事でご紹介した通り、強力な成長力を見せるサービス部門を上回る強靱な伸びを見せており、2018年第2四半期は前年同期比で38%増となった。
なかでもウェアラブルデバイス、すなわちApple WatchやAirPods、Beatsなどの製品の売上規模は、Fortune 300企業に肩を並べるまでに成長している。こちらも前稿で触れたが、あくまでiPhoneユーザーのためのウェアラブルデバイス、という位置づけを出ないものの、年間2億台以上を販売するiPhoneとともに購入されていくことを考えると、成長余地はまだまだ大きいと考えてよいだろう。
Appleがウェアラブル部門に続いて成長させたいと考えているのがホーム部門だろう。これには、Apple TV、AirPort(日本ではAirMac)、そして今回発売されたHomePodが含まれる。HomePodこそ設定にiPhoneを用いるが、基本的にはそれらの製品や人から独立して家の中に設置され動作していくデバイスだ。
もちろん、iPhoneとの連携は念頭に入っている。Apple TVで利用するのは、大半の人がiPhoneで設定しているApple IDになるし、Apple Musicや写真などもiPhoneのものがそのまま利用できる。また、Apple TV向けアプリは、iPhone向けアプリをダウンロードすると自動的に追加できる。
HomePodも独立して動作する製品であり、基本的には声で音楽を操ったり、スマートホーム製品の操作をしたり、必要な情報を呼び出す仕組みだ。AirPortにいたっては、一度設定すれば、放っておいたままで家の中のWi-Fi環境を提供し続けてくれる製品というわけだ。