Windowsに用意されている圧縮フォルダ(ZIP圧縮)にはAES暗号が用意されていない――Microsoftは5月15日(米国時間)、これが多くのユーザーから問い合わせを受けている質問だとして、「Why is Windows Compressed Folders (Zip folders) support stuck at the turn of the century?|The Old New Thing」においてその理由を説明した。
Microsoftは、圧縮フォルダの機能はWindows XPを開発している時代に導入されたサードパーティ製のコードであり、基本的にこのコードに関してすでに積極的な開発を行っていないとしている。また、Microsoftのエンジニアすべてがこうした圧縮・解凍の処理に精通しているわけではないため、デバックや変更は難しいことについても言及されている。
そのほか、ZIPフォーマットにAES暗号の機能が導入されたのは2003年だが、この時期はすでに該当する機能の開発は終了しており、ライセンス契約を締結したあとで、AES暗号の機能を追加することができない状況だったとも説明している。
コードを提供したサードパーティを配慮した結果、ZIP圧縮の機能はコマンドプロンプトなどから簡単に利用できるような仕組みにはなっておらず、UIからの利用が前提になっていることにも触れている。スクリプトからこの機能を利用することはあまり実用的ではない。ただし、MicrosoftはPowerShellのZipFileクラスを利用するといった方法で、スクリプトからZIP関連のデータをプログラム的に処理できることも説明している。