今回はZenFone 5シリーズが全3機種発表されましたが、最も安価な製品となるのが「ZenFone 5Q」です。
本体デザインのコンセプトは、ZenFone 5/ZenFone 5Zと大きく変わりません。フラットなボディで、側面や角は緩やかなカーブを取り入れて、優しい持ち心地を実現しています。ただ、ZenFone 5/ZenFone 5Zでは切り欠きを備える6.2型ディスプレイであるのに対し、ZenFone 5Qでは表示解像度が1,080×2,1600ドットで切り欠きのない6型ディスプレイを搭載しています。そのため、見た目の印象は一般的なスマートフォンに近くなっています。
カラーは、ルージュレッド、ムーンライトホワイト、ミッドナイトブラックの3色です。ZenFone 5/ZenFone 5Zほど光沢感は強くないですが、普及価格帯の製品としては質感が十分に優れているという印象で、安っぽさは感じません。
サイズは76×160.5×7.7mmと、ZenFone 5/ZenFone 5Zよりもやや大きくなっています。これは、切り欠きのないディスプレイを採用していることが影響しています。それでもディスプレイのベゼル幅は十分に狭められていますので、特別大きいとは感じませんでした。基本的には、現在主流の5.5型サイズのスマートフォンと同等の持ち心地と言えます。
重量は168gと、ZenFone 5/ZenFone 5Zより3g重いだけで、ほぼ同じ重さと言えます。実際に手にしても、重いと感じることはありませんでした。
リアだけでなくフロントカメラもデュアルレンズ仕様
ZenFone 5Qの最大の特徴となるのが、リアだけでなくフロントにもデュアルレンズ構成のカメラを搭載している点です。切り欠きのないディスプレイが採用されているのは、フロントにデュアルレンズカメラを搭載しているからでしょう。
フロントのデュアルレンズカメラは、2,000万画素センサー採用の標準レンズと、800万画素センサー採用の120度広角レンズという構成となっています。120度の広角レンズを使ったセルフィー撮影が可能で、自分を含めて大勢のセルフィー撮影でも、背景を含めて余裕を持って撮影できます。セルフィーを重視する人にとってかなり魅力的となるでしょう。しかも、フロント側にもLEDフラッシュを搭載していますので、暗い場所でのセルフィー撮影も安心です。
ちなみに、リアカメラは1,600万画素センサー採用の標準レンズと、800万画素センサー採用の120度広角レンズという構成です。つまりフロントカメラのほうが高スペック。このあたりからも、ZenFone 5Qはセルフィー特化型のカメラを搭載するスマートフォンと言えます。
ただし、ZenFone 5Qには、ZenFone 5/ZenFone 5ZのようなAI機能は搭載しません。この点は少々残念です。
普及価格帯からハイエンドモデルまで、堅実なラインナップで勝負
このようにZenFone 5シリーズは、豊富なAI機能や高性能デュアルレンズカメラが特徴のZenFone 5と、現役最強SoC搭載のハイエンドモデルZenFone 5Z、そして普及価格帯のZenFone 5Qと、堅実なラインナップがそろっているという印象です。
ただ、全体的にみると「ZenFone 5シリーズならでは」といった飛び抜けた特徴があるわけではありません。この夏は、競合メーカーから強力な製品が続々登場する予定です。そういった中で、どこまで存在感を示せるかが課題となりそうです。
それでも、多くのMVNOが採用したり、大手家電量販店でも広く販売が予定されている点は、強みといえるでしょう。イマドキの機能は網羅していますので、不満なく利用できるのは間違いありません。