業界を問わず必要となるITスキルの実務能力基準の認定活動を行うIT業界団体CompTIAの日本支局は、学校機関向けのプログラム「CAPP(CompTIA Authorized Partner Program)」において、CompTIA認定資格を目指す学生に向けて、無償で受験機会を提供するプログラム「CompTIA スカラーシップ・プログラム 」を5月15日より開始することを発表した。

CompTIAは、1993年のビジネス環境におけるハード/ソフトウェア理解やIT環境の管理運用スキル「CompTIA A+」の開始以来、ネットワーク管理の「CompTIA Network+」、セキュリティ関連の「CompTIA Security+」、クラウドの運用管理のスキル「CompTIA Cloud+」やサーバ構築、メンテナンスや仮想化、災害復旧やトラブルシューティングのスキル「CompTIA Server+」など市場のニーズを調査した実務ベースのガイドラインから資格認定を行っており、ワールドワイドで過去200万以上の認定者を輩出している。

15日から開始する「CompTIA スカラーシップ・プログラム 」は、賛同企業による受験料の一部負担を通じて、CompTIAを学ぶ学生を対象に受験機会を無償で提供するプログラム。CAPPプログラムでのCompTIA資格取得を目指す学生を対象に実施される。人材不足が指摘されるIT関連の人材育成を、賛同企業との連携のもと実務的スキルの受験機会の創出を通して行うことになる。

  • CompTIAスカラーシッププログラムの概要(同社資料より)

    CompTIAスカラーシップ・プログラム の概要(同社資料より)

賛同企業のひとつで公共、物流や税関、税務といった分野での大規模プロジェクトを数年単位のスパンで開発する日本オーエー研究所 代表取締役社長 奥山 宏昭氏は、スカラーシップ・プログラム の本格導入の前に企業として社会貢献の取り組みとして参加。就職希望学生からの申し込みがあり、すでにCompTIAの資格を取得した社員を迎えられたことを述べている。

また、サーバー/ネットワーク構築やプログラミングからAIやIoTなどの先端技術の理解、顧客への課題解決の提案行える技術者育成を行う学校法人岩崎学園 情報科学専門学校 教務部 武藤 幸一氏は"学生の視点からも、企業の方が求める人材像を早い段階から伝えて頂ける事は資格取得を目指す動機付けになり、その努力を支援してくれる企業の存在はとても心強い"とスカラーシップ・プログラム 活用の意義を述べる。

CompTIA日本支局では、今後プログラムへの参加を希望する学校機関と支援企業のコーディネートを開始、企業からの技術的な講演や学生が第一線で活躍中のエンジニアと触れ合う機会の創出など、企業と学校法人の産学連携強化を目指す。