Cook氏はこう続けた。

「疑り深い人は見誤ると思いますよ。事実、Appleは、我々の顧客をマネタイズしようと思えば、莫大なお金を生み出すことができます。もし我々の顧客が我々の製品であるならば、我々は膨大な利益を生み出すでしょう。しかし我々は、それを選ばなかったのです。なぜなら、我々の製品はiPhoneやiPad、Mac、HomePod、そしてApple Watchなどであって、顧客ではないからです。もし我々が皆さんが製品を買うことに納得してくれたら、我々は少しのお金を生み出します。しかし、みなさんは我々の製品ではないのです。そして我々はユーザー体験に気を配っています。またあなた個人の生活を取引しようとしていません。プライバシーに対する侵害だと考えています。プライバシーは、人の権利です。表現の自由や報道の自由のように、プライバシーは我々の権利なのです。このことは、我々が先週目の当たりにして始めたことではありません。長年にわたって取り組んできたことです」

ここで強調されているのは、顧客とその個人情報を売り物にするビジネスを行っていない、ということ。明言を避けているが、無料提供と広告による収益を上げているFacebookとGoogleに対する批判と見て良いだろう。

それぞれの企業は、広告のターゲッティングに個人の行動や属性のデータを活用している。もちろん両者とも、それを売り渡すビジネスは行っていないが、個人のデータが束ねられていることによって、今回のような流出を招いた際の被害が大きく、そのリスクが顕在化したのだ。