レノボ・ジャパンは24日、GoogleのVRプラットフォーム「Daydream」に対応した、世界初のスタンドアロン型VRヘッドマウントディスプレイ「Lenovo Mirage Solo with Daydream」を国内発表しました。同日から予約開始し、5月11日に発売。価格はオープンで、店頭予想価格は税別51,200円前後。
Lenovo Mirage Solo with Daydream(以下Mirage Solo)は、GoogleのVRプラットフォーム「Daydream」に対応したVRヘッドマウントディスプレイ(以下HMD)です。Daydreamを採用することで、PCやスマートフォンと接続することなく、HMD単体でVRアプリやVR動画を楽しめるようになっています。製品の詳細はニュース記事に譲り、ここでは同日開催された発表会で展示されていた実機のファーストインプレッションや、VRコンテンツについて紹介します。
完全ワイヤレス。自由に動けるVRヘッドセット
Mirage Soloは、2,560×1,440ドット解像度の5.5インチディスプレイを搭載したVR用のHMD。一般的なHMDと同じく、前面に2基のレンズを備え、頭にかぶせてVRコンテンツを視聴できます。頭に接触する部分にはしっかりしたクッションが備えられ、装着感は良好。重量は645gで、ごく短時間の装着では重いと感じることはありませんでした。長時間装着すると、徐々に重さを感じることもあるかもしれません。
VRプラットフォーム「Daydream」の対応と、4,000mAhバッテリの内蔵で、ケーブルが完全に排除された単体駆動が特徴です。そして左右を見る、上下を見る、左右に振るといった頭の動きに加え、前後に歩く、サイドステップ、しゃがむ/立つ/ジャンプといった空間内の体の動きを含めた6DoF(自由度)にも対応しています。
PCと接続するHTC Viveや、マイクロソフトのMRプラットフォーム対応ヘッドマウントディスプレイなどと比べると、プレイ時の身軽さはかなり高いと感じました。強力なPCパワーが必要なViveや、MRヘッドマウントディスプレイはその高性能ゆえにPCとのケーブル接続が必須。なのでこれらと比べるのは少し違和感があるところでもありますが、この手軽さ、軽快さはDaydream対応VRヘッドマウントディスプレイの大きなメリットとも感じました。
ちなみにMirage Soloの公式バッテリ駆動時間は2.5時間で、これは1080Pの動画を連続再生した値となります。
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Mirage Solo。同時発表のVRカメラ「Lenovo Mirage Camera with Daydream」(以下Mirage Camera)と組み合わせると、カメラで撮影した映像をほぼリアルタイムで視聴できたり、カメラ内のSDカードに記録した映像を、SDカードをMirage Soloに挿すことで視聴できるなど、使い方の幅が広がります
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同梱のモーション・トラッキング・コントローラはVRコンテンツの操作に必要。手のひらに収まる小型サイズで端がラウンド状になっており、上部にタッチパッド、中央にアプリボタン/Daydreamボタン、右側面に音量ボタンを搭載しています
別所哲也さん「VR動画は映像編集の在り方を変える」
発表会では、短編映画祭「ショートショート」実行委員会委員長で、俳優の別所哲也さんが登壇。約20年にわたり「ショートショート」実行委員会の運営に携わってきたという別所さんは「(映画祭では)毎年技術の進化を感じる」とし、「VR動画は、映画監督や映像クリエイターの間でも議論の中心になっている」とクリエイター視点でコメント。「音楽や映像のカット割りも変えてしまうVRの360度映像をどう捉えていくか、映像編集の在り方といったものが大きく変わろうとしている」とVRコンテンツの新たな展開に期待を寄せました。
短編映画祭「ショートショート」では、この2018年からVR部門を設立。レノボは、同映画祭の特設会場に「Lenovo Mirage Solo with Daydream」を20台提供し、VR作品の上映に役立てるといいます。また、同映画祭が厳選した12本のVR短編映画が、「Lenovo Mirage Solo with Daydream」購入者にコンテンツ特典として提供される予定です。