Webページの内容を証拠として残したい場合に役立つのが、いわゆる"魚拓"サービスだ。クローラが自動巡回するのではなく、利用者がURLを入力することでWebサイトのコピーをオンラインに残せるこれらのサービスは、オンラインでの共有が容易なため、改変などの行為を見逃さないためのチェックツールとして重宝する。
魚拓サービスの必要性や適法性についてはさまざまな見解があるが、修正履歴を残さずに記事を大きく改変したり、短期間で記事ごと削除するメディアは少なくない。また、Webサービスの利用規約の変更であったり、個人レベルでも、誹謗中傷発言を削除して存在自体がなかったようにふるまうユーザは後を絶たないだけに、それらに対して少なからぬ抑止力となっていることは間違いのないところだ。
こうした魚拓サービスは、日本における元祖と言える「ウェブ魚拓」以外にもさまざまなサービスが存在しており、最近ではTwitter専門の魚拓サービスなど、用途特化型のサービスも登場している。今回は、2018年4月の段階で利用可能な、「ウェブ魚拓」以外の魚拓サービスを、5つピックアップして紹介する。
スクリーンショットも同時に保存「archive.is」
近年になって日本でもよく見かけるようになったのがこの「Archive.is」。ウェブ魚拓と同様、Webページを引用できるサービスとして運営されている。レイアウトの再現性はそれほど高くはないが、html以外にスクリーンショットも同時に保存できるなど多機能で、オリジナルの外観をあとから確認したい場合に重宝する。
容量10MBの保管スペースあり「FreezePage」
海外では著名なアーカイブサービス。個人向けに容量10MBのフォルダが提供され、その中にアーカイブを保存するという、プライベートな保管庫としての性格が強いことが特徴。ログインなしで3日間アクセスしないと削除されるため、長期のアーカイブには不向き。またJavaScriptの読み込みがやや不完全な傾向があるようだ。
アーカイブ時にメールで通知「WebCite」
こちらも海外のアーカイブサービス。基本的な使い方は他サービスと同様だが、URLと同時にメールアドレスを入力することで、アーカイブの完了時にメールで通知が届く仕組み。手動での言語設定も可能なので、ほかのサービスでは文字化けでページがうまく保存できない場合に試す価値はある。CSSの再現性はやや低いようだ。
他サービスにも内容を反映「TweetSave」
Twitterの魚拓に特化した珍しいサービス。ツイートのURLを指定することで本サービスでのアーカイブに加えて、前述の「Archive.is」、さらにInternet Archiveの「Wayback Machine」にもミラーリングされるのが特徴。ブックマークレットも用意されており手軽に使えるが、RTやいいねの数、および画像が無視されるのは残念。
偽ツイートを見抜く判断材料に「ツイログ」
こちらもツイートの魚拓を行うサービスだが、ツイート本文に加えて投稿日時や内部ID、さらにはユーザ情報をも保存する機能を備え、ツイートが本物か否かを見抜くための材料をまとめて提供してくれる。ツイートしたユーザ本人のIDの改変履歴を見る機能も備える。RTやいいねの数は無視されるが、添付画像はきちんと保管される。