期間限定の理由

赤シャリでの提供は4月22日までだ。期間限定なのは、いくつかの理由がある。赤酢が米酢よりも手当てが困難という側面もあるが、味自体が万人に受け入れられるか、顧客の声を聞くためでもある。

赤シャリは酸味が強く、苦手に感じる層(特に子供)がいる可能性があるという。もちろん、とがった味を丸めるべく、独自のブレンドを行い、赤シャリの良さを引き出せるように工夫した。さらに、本番を前に、テストマーケティングも行なっており、抜かりはないようだが、全国規模で多くの意見を求めたいようだ。

とはいえ、赤シャリへの期待は大きく、水留浩一社長は「たとえばの話だが、毎週水曜日を赤シャリの日にするといった取り組みはありえるかもしれない」と継続の考えもあるようだ。

  • スシローグローバルホールディングスの水留浩一社長

いずれにせよ、味へのこだわりがあり、それが天然魚の取り扱いにつながり、赤シャリに至った。天然魚の取り扱いは難しく、容易に他社が追随できるわけではない。味への差別化のためにさらに一歩踏み込んだことが最も注目されるべきところだろう。

スシローの上期は月次業績を見る限り好調だ。既存店売上は前年を上回っており、天然魚の取り扱いをはじめとした、味への取組みが評価されたと見ることができる。そうした見方が正しければ、赤シャリへの取り組みは業績拡大につながる、新たな材料にもなりそうだ。