楽天とビックカメラ双方のメリットは?

楽天ビックは、両社にメリットがある取組みだ。ビックカメラは、サービスの向上により、(楽天会員である)女性客の利用促進と実店舗への来店を期待しており、楽天はビックカメラ実店舗あがる購買データも利用可能になる。

さらには、こうしたオンラインとオフラインを連携させたサービスばかりではなく、女性や若年層を対象にした独自商品の開発も進めていく。楽天の会員基盤からの市場全体の嗜好、ビックカメラが把握する家電に対してのユーザーの嗜好を考慮した新たな製品の登場が期待されるわけだ。

独自商品としては第一弾として、ビックカメラグループ専売モデルのVRヘッドマウントディスプレイを楽天ビックで販売していく考えだ。

しかし、気がかりなこともある。それは、ビックカメラ実店舗における楽天スーパーポイントの付与率が低いことだ。実店舗でのポイント付与率は、楽天が5%、ビックカメラは基本10%となる。

4月20日まではキャンペーンの実施により、楽天も最大10%付与となるものの、一時的なものに過ぎない。オフラインとオンラインをつなぐ施策は大きな効果を発揮しそうだが、一方で、ポイント付与率の差はどう影響を及ぼすのかが気になるところだ。ビックカメラ実店舗への女性客の誘導は素直に実現するだろうか。もうひとつ、ウェブと実店舗での販売価格に差が生じているものもあるようで、このあたりの是正も求められそうだ。