日本政府がインターネット接続業者(プロバイダー)に対し、ネット上で違法にマンガや雑誌をアップロードしている海賊版サイトへの接続を遮断(サイトブロッキング)するように要請する調整に入ったと、毎日新聞が4月6日の記事で伝えた。4月末にも正式決定される見通しだという。
サイトブロッキングとは、ある特定のサイトへアクセスすることを、プロバイダー側が強制的に遮断すること。毎日新聞によると、日本政府は3つの海賊版サイトを名指しし、プロバイダーにサイトブロッキングを要請する予定だという。菅義偉内閣官房長官は3月19日の記者会見で、「サイトブロッキングを含めて現在あらゆる方策の可能性を検討している」と語っていた。
公益社団法人日本漫画家協会は2月に海賊版サイトについて見解を示し、「創作の努力に加わっていない海賊版サイトなどが、利益をむさぼっている現実があります」と、海賊版サイトを批判していた。
サイトブロッキングによって、海賊版サイトの流行に歯止めをかけられるのではないかと期待の声がある一方、サイトブロッキングは通信の秘密を個人として生きていく上で必要不可欠な権利として保障する、日本国憲法第21条「通信の秘密」に抵触するのではないかと懸念もある。
内閣府の平成29年「模倣品・海賊版対策の現状と課題」を確認すると、諸外国でサイトブロッキングを導入しているのは42カ国だった(2017年4月時)。
Twitterでは4月6日、毎日新聞の記事を受けてか「海賊版サイト」がトレンド入り(13時15分)。海賊版サイトの規制に関して、賛成、反対さまざまな意見がツイートされていた。