シャープは5日、透明なNFCアンテナを搭載したディスプレイの開発を発表した。

ディスプレイを備えたNFC通信器は一般的に、NFCリーダー(読み取り部)がディスプレイから独立しているが、今回開発されたNFCアンテナ搭載ディスプレイでは、スマートフォンなどのNFC対応機器やICカードをディスプレイ自体にかざして通信できる。

  • 透明NFCアンテナ搭載ディスプレイの応用例。自動販売機で飲み物を買う時に、ディスプレイ自体にICカードなどをかざすことで支払いが可能となる

今回開発したディスレイは、透明化したNFCアンテナをディスプレイ上の任意の場所に配置でき、表示性能を損なわない上、NFCリーダーも不要になる。ディスプレイ上に文字やイラストでスマートフォンをかざす位置・タイミングを示したり、通信結果を通知したりできるため、直感操作が可能。また、一度に複数の端末と通信することも可能という。

想定用途は、POSターミナルや自動販売機、オフィス、教育・医療機関、アミューズメント関連など。スマートフォンや交通系ICカードなどに内蔵されているNFCは、電子マネーの決済やID認証などに活用されている。同社はNFCのさらなる普及を見込んでおり、ディスプレイの新たな価値創出に取り組むとする。