Firefoxでは、かなり高度なカスタマイズも行えます。Webページの読み込みをもっと速くしたいといったときに、効果的な設定もあります。今回は、キャッシュの保存場所を変更してパフォーマンスを改善する方法を紹介します。

  • Firefoxのキャッシュ場所を変更する

キャッシュの保存場所を変更するメリット

キャッシュは、Webページの情報の一部を保存しておいて、ページの読み込みを高速化する機能です。そのためキャッシュをどこに保存するかで、パフォーマンスにも違いが出てきます。SSDを搭載したパソコンなら、キャッシュの保存場所を変更するメリットはほとんどありません。今のままで十分高速でしょう。しかし、システムドライブがHDDなら、もっと高速に読み書きできる場所(たとえばSSD)へとFirefoxのキャッシュを移動することで、Webブラウズの体感速度を向上できる可能性があります。

キャッシュの保存場所を確認する

まずは、現在キャッシュがどこに保存されているか確認してみます。Firefoxのアドレスバーに「about:cache」と入力して、「Enter」キーを押します。キャッシュの保存場所が表示されます。上から2番目、「disk」の「Storage disk location」がキャッシュの保存場所です。

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    (図1)「about:cache」と入力すれば、キャッシュの保存場所が表示されます

キャッシュの保存場所を変更する

キャッシュの保存場所は、オプション画面では変更できません。アドレスバーに「about:config」と入力し「Enter」キーを押します。「動作保証外になります!」という画面が表示されるので、先へ進みます。続く手順は次の通りです。

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    (図2)「about:config」と入力して、「Enter」キーを押します

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    (図3)「危険を承知の上で使用する」をクリックします

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    (図4)どこでもいいので右クリックして、メニューから「新規作成」→「文字列」を選択します

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    (図6)ダイアログに「browser.cache.disk.parent_directory」と入力し、「OK」をクリックします

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    (図6)キャッシュを保存したい場所をフルパスで指定します

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    (図7)「browser.cache.disk.parent_directory」が追加されました。Firefoxを再起動します

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    (図8)「about:cache」でキャッシュの保存場所を確認します。指定した場所が「Storage disk location」に表示されていればOKです

キャッシュの保存場所をもとに戻したいときは、設定画面に戻って、追加した「browser.cache.disk.parent_directory」を「リセット」します。Firefoxを再起動することで、初期状態の保存場所へと戻すことができます。

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    (図9)右クリックメニューから「リセット」を選択し、Firefoxを再起動します

物理メモリにキャッシュを保存する

利用できる物理メモリの制限が大きく緩和された64bit版のOSでは、物理メモリをキャッシュとして活用することでパフォーマンスを改善できます。Firefoxでは、「about:config」でHDDやSSDのキャッシュを無効にし、物理メモリだけにキャッシュを作ることができます。

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    (図10)「about:config」から設定画面を表示します。「browse.cache.disk.enable」をダブルクリックして「false」に切り替えます

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    (図11)「browser.cache.memory.enable」が「true」になっていることを確認します(初期状態で「true」です)

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    (図12)新しい項目を追加します。どこでもよいので右クリックして、「新規作成」→「整数値」をクリックします

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    (図13)「browser.cache.memory.capacity」と入力して「OK」をクリックします

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    (図14)「-1」と入力すると、メモリの使用状況に合わせて動的にキャッシュサイズが変更されます

「OK」をクリックしたら、Firefoxを再起動します。「about:cache」で保存場所を確認しましょう。「disk」の「Storage disk location」が「none, only stored in memory」になっていれば変更は終了です。

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    (図15)ディスクキャッシュが無効になりました

なお、memoryの「Maximum storage size:」には、キャッシュサイズが表示されています。少ないときは、「browser.cache.memory.capacity」に入力した「-1」を、ほかの設定値に変更することで、メモリサイズを固定することができます。設定値は以下の通りです。最大で8GBまで指定できます。環境に合わせて設定してください。

  • 1GB : 36864
  • 2GB : 73728
  • 4GB : 147456
  • 8GB : 233016