凸版印刷は、シート型生体センサーにより心拍・呼吸データなどを取得し、リアルタイムに睡眠状態を解析できる見守りサービス「SensingWave(センシングウェーブ) 介護見守りシステム」を、介護業界向けに4月より販売開始すると発表した。
同サービスは、ベッドマットレスの下などに設置するシート型生体センサーで利用者の心拍や呼吸などの生体信号を非接触で取得し、睡眠状態をリアルタイムに解析するもの。従来、睡眠状態を計測するセンサーとしては身体装着型の製品があったが、睡眠中に外れてしまったり、煩わしく感じてしまったりといった課題があり、また睡眠状態を高精度にリアルタイムで取得できる機能が求められていた。
そこで同社は、利用者の生体信号を電気信号として取得できるシート型生体センサーにより、利用者が装着することなく、睡眠状態をリアルタイムに取得・解析し、データをクラウド上で管理する同サービスを開発した。センサーは薄いシート形状のため、設置のための特別な施工が不要というメリットもある。
同サービスでは、山形大学の新関久一教授の協力のもと開発したアルゴリズムを用いて、生体信号を解析することで、覚醒や就寝、寝返りの有無など睡眠状態の把握が可能となっている。また、複数人の睡眠状態や入床・ 離床の「見える化」が可能なため、介護対象者の就寝時間中に適切なタイミングでの声掛けができ、離床時などにはモバイル端末で通知を受けられるなど、介護負担の軽減や業務効率の改善が期待できるとしている。さらに、クラウド上に集積された睡眠データにより日々の睡眠の質を確認し、活用することもできるという。
なお同サービスは、ときわ会が運営する介護福祉施設「有料老人ホーム ソレイユの丘」と、長崎県小値賀町での独居高齢者見守りサービスとして採用され、4月より運用が開始される予定になっているということだ。