ZTEは今回のMobile World Congress 2018で、2画面スマートフォンの「AXON M」を欧州で初披露したほか、ミドルレンジのスマートフォン「BLADE V9」や5G技術などの発表をしています。AXON Mは、NTTドコモとの共同開発による新しい商品ジャンルですが、今後、どういった端末を計画しているのか。ZTE上級副社長兼ZTEモバイルデバイスEMEA及びAPAC地域CEOの張樹民氏に話を伺いました。

  • ZTE上級副社長兼ZTEモバイルデバイスEMEA及びAPAC地域CEOの張樹民氏

AXON Mは、日本ではドコモから「M Z-01K」という名称で販売しているモデルです。折りたたまれた端末を開くと、左右に画面がある2画面スマートフォンとして話題沸騰の製品です。折りたたんだ状態だと片面は使わずに、普通のスマートフォンとしても利用できます。

  • NTTドコモより発売された「M Z-01K」

これはドコモとZTEが共同開発したものですが、実は途中から米AT&Tも開発に参加していたそうです。GoogleやQualcommともチームを組んでたくさんの課題や困難を解消した、と張氏は述懐します。

AXON Mは、米国でも販売され、今回のMWC 2018のタイミングで、欧州でも発売が発表されました。これによって、ドコモ、AT&Tに加えてVodafone、TIMなどの欧州キャリアからも販売されることになります。さらに張氏は、ドイツやロシアでも展開したいと意気込みます。

実は、中国メーカーの同じモデルをグローバルのキャリアが一斉に扱うのは初めてだそうです。特にHuaweiは米国市場でキャリアの取り扱いがないため、中国メーカーとして日中米欧とグローバルでキャリアが販売している唯一のモデルなのだといいます。

日本では発売前後、メディアの報道も多く、販売も順調で「計画通り(張氏)」とのことです。販売状況やメディアの報道、ユーザーからのフィードバック、それぞれを踏まえて、「新しいカテゴリの商品として自信を持っています」と張氏。

米国では、AT&Tのサイトで5点満点中4.6点を獲得したことでユーザーの満足度が高く、中国の販売サイトでもユーザーから、好評価を得ているそうです。

最初は「一部のユーザーしか興味を持たないのではないか」という声もあったそうですが、発売後はたくさんのフィードバックがあって、しかもメーカーとして考えてなかった使い方をする人も現れているそうです。女性のユーザーもいたことは驚きだそうで、今後新しいカテゴリの商品としてUIやUXの改善を続けていきたいといいます。

さまざまなフィードバックは、ドコモとも共有して今後に繋げていく考えで、日本での販売に関してもさらに拡大していきたいとしています。

ドコモとは開発だけでなく、販売でも協力関係にあり、グローバルの市場を一緒に開拓しているのも、これまでにない取り組みだとのこと。こうした両者の開拓によって欧米でも販売が拡大するAXON Mですが、各国のキャリアがこうした端末に興味を持ったのはどういう理由なのでしょうか。

張氏は、「UIが2画面で自由度が高く、パケット通信をたくさん使うハイエンドユーザーが使ってもらえる魅力のある端末」と評価頂いているとコメント。また、昨今のスマートフォンはどれも似たような見た目になり、刺激がなかったところに、刺激を与えるというのも高評価のポイントだったと続けます。さらに「価格もリーズナブル」というところも手伝ったのでしょう。

このAXON Mは、今後も「Mシリーズ」として継続していく模様です。ハイエンドシリーズのAXONブランドですが、「Mシリーズ」として独自製品を開発していくらしく、これは2画面スマートフォンとは限らないようです。1画面でも、新しい部材が出たらそれを使って新しい製品を生み出していきたいそうです。

そんな中、すでに仮称として「AXON M2」の開発が始まっているそうです。初代の開発で蓄積したUIやUXの経験を生かして、UI/UXを改善することが重要な変更ということです。

2画面などのこだわりはなく、「エンドユーザーが望んでいるものを出したい。そのために何が一番必要なのかを決めていきたい」と張氏は強調します。ドコモや欧米のキャリアとも開発の情報は共有しているそうで、今後一緒にカスタマイズをするといった可能性はあるそうです。

張氏はデュアルカメラを採用する可能性に触れつつ、ユーザーのフィードバックなどの市場調査はしているものの、「常にトップスペックを狙うことはない」という方針を明らかにしました。ZTEは「ユーザーの体験」にフォーカスしています。防水に関しては、技術の蓄積としては問題ないとしつつ、「全体の影響を考える必要があります。価格へのインパクトもあります」との認識でした。

ちなみに、過去に2画面端末としてはNECカシオモバイルコミュニケーションズの「MEDIAS W」というモデルもありましたが、これに関して張氏は「当時はさまざまな制約があって、ユーザーが求めていたものができなかった」と指摘します。「形はほぼ同じだが中身を見ると違います。コンセプトは素晴らしかったのですが、技術的な制約条件などもあり、我々も継続して改善していきたい」と話します。

  • NECカシオモバイルコミュニケーションズ製造の「MEDIAS W」

「いろんな不備や改善点もあると思いますが、改善していくのも目標です」と張氏は語っています。

日本市場に対しては、すでに8年間の経験があり、「800万台を出荷している」と張氏。キャリアでの販売が強い市場であり、「継続して日本のすべてのキャリアと、新しいもの、ユーザーが欲しいものを開発していきたい」と胸を張ります。

今回発表のBLADE V9はミドルレンジのスマートフォンで、グローバルの中で日本はまだ販売国に入っていませんが、「いろいろ声をかけている(張氏)」とのことなので、今後どこかのキャリアから登場する可能性はありそうです。

さらに今後は、5Gの時代がやってきます。「5Gは目の前にある」と張氏。ZTEでは「4Gは人の生活を変えた。5Gは社会を変える」というスローガンがあるそうで、5Gに向けて取り組みを強化していく方針です。

「端末の開発を進めていて、ネットワーク、端末、サービス含めて5G時代にユーザーに届けたい」と張氏。スマートフォン、タブレット、CPE(ルーター)は早期に提供するという施策で、2019年の早いタイミングで発売する計画です。日本でも継続的に5G端末を出していきたいとしています。