ソニーが2012年に発売した「MDR-1R」は、現在のハイレゾがブレイクするきっかけを作ったプレミアムヘッドホンです。2万円~3万円台というリーチしやすい価格帯で、音質・装着感、ケーブルの着脱交換も楽しめる機能性など、楽しみ甲斐も群を抜いていました。

その銘機のコンセプトと高音質は2014年に発売された「MDR-1A」に受け継がれて、ワイヤレスヘッドホンの「MDR-1ABT」にも広がりました。そして2018年の3月10日。約4年ぶりにモデルチェンジを遂げた「MDR-1AM2」が発売されます。

  • ソニー、MDR-1AM2

    ハイレゾ対応ヘッドホンの定番モデルがモデルチェンジ。「MDR-1AM2」のクールなシルバー

  • ソニー、MDR-1AM2

    こちらはシブいブラック

価格はオープンですが、想定売価は3万円前後。MDR-1Aに比べると、色合いがよりクールな印象になったシングルトーンのブラックとシルバーがそろいます。

再生周波数帯域は低域が3Hzから、高域は100kHzまでと非常にワイドレンジ。MDR-1Aと同じハイレゾ対応の40mm口径HDドライバーを搭載しています。ドライバーから出力された音が、独自の曲線パターンを採用するグリルを抜けて耳に届くことで、空気の伝搬が均一になり、息を呑むほど滑らかでクリアなサウンドを楽しめるのが特徴です。このグリルは、フィボナッチ数列を参考にしたというもので、ソニーのフラグシップヘッドホン「MDR-Z1R」から採用されました。

  • ソニー、MDR-1AM2

    ヘッドバンドのスライダーは素材をステンレスからアルミに変更。左が新モデルのMDR-1AM2、右がMDR-1A

ヘッドホンは、スライダー部分の素材をステンレスからアルミに変えたり、ヘッドバンドのパーツは中を空洞にした"肉抜き"設計にしたりと、軽量化をとことん突き詰めました。身に着けていることを忘れてしまうぐらいにライトな装着感です。質量はMDR-1Aの約225gから、新モデルでは約187gに計量化を図っています。

  • ソニー、MDR-1AM2

    イヤーカップをのぞき込むとドライバーが顔をのぞかせます。ドライバーの前にある花柄の網がクリアなサウンドの秘密、フィボナッチパターングリル。

筆者はMDR-1AM2を初めて手に持ったときに、思わず歓声を上げてしまいました。

イヤーパッドのスティッチ(縫い目)を耳にあたらない場所に配置したり、中味の低反発ウレタンクッションは装着した後から耳のかたちに沿ってくるようなバランスに柔軟性を整えたりと、細かなところまで使いやすさを徹底的に磨き上げています。3万円のヘッドホンと聞くと少し高いなと感じる方も多いかもしれませんが、MDR-1AM2は使い込むほどコストパフォーマンスの高さを感じてくるのではないでしょうか。

  • ソニー、MDR-1AM2

    ともに1.2mのリモコン付きヘッドホンケーブル(右)と、バランス接続用のケーブル(左)がパッケージに同梱されます

  • ソニー、MDR-1AM2

    ウォークマンのハイエンドモデル「NW-ZX300」と本体の色を絶妙にマッチさせています~

ちなみに、ケーブルは今回も本体着脱式。製品パッケージには、通常の3.5mm/4極ステレオミニタイプのリモコン付きケーブルに加えて、最新のウォークマン「NW-ZX300」にも搭載されている4.4mm/5極端子に接続sできるバランスケーブルを同梱します。インピーダンスが16Ωと低く設計されているので、ハイレゾスマホやiPhoneでもガンガンに鳴らせます。もちろんウォークマンユーザーにとっては、最高のカップリングとなるヘッドホンだと思います。