1月16日、帝国データバンクと東京商工リサーチから2017年1月から12月までの全国企業倒産の集計結果が発表された。同年の倒産件数と負債総額は、帝国データの発表では8376件/1兆5551億3300万円、東京商工リサーチの発表では8405件/3兆1676億3700万円となっている。
帝国データバンクの調査結果
2017年の全国企業倒産の件数は8376件(前年8164件、前年比2.6%増)と、2009年(1万3306件)以来、8年ぶりの前年比増加に転じた。四半期別では、第2・第4四半期で前年同期比増、月別では、12カ月中8カ月で前年同月を上回った。
負債総額は1兆5551億3300万円(前年1兆9916億8300万円)、前年比21.9%減と、2年連続で前年を下回った。四半期別では、第2四半期を除く3四半期で前年同期比2ケタの減少となった。
負債総額は、タカタの負債額を2017年6月26日発表の1826億3300万円として集計しており、取材などで判明した国内主要自動車各社のリコール費用に係る求償債権の合計を含めると、負債総額は2兆8851億3300万円(前年比44.9%増)になるという。
業種別では、7業種中5業種で前年同月を上回った。これらのうち、サービス業(1877件、前年比6.3%増)は2年連続、小売業(1859件、同8.3%増)、運輸・通信業(286件、同1.4%増)の2業種は5年ぶりに前年を上回った。一方、建設業(1571件、同1.4%減)、製造業(1027件、同2.5%減)など3業種は前年を下回った。
地域別では、9地域中5地域で前年同月を上回った。これらのうち、関東(3129件、前年比0.6%増)、近畿(2174件、同8.0%増)は8年ぶり、中部(1253件、同5.6%増)は2年連続の前年比増加。一方、九州(520件、同11.3%減)など2地域は前年を下回った。
東京商工リサーチの調査結果
2017年の全国企業倒産件数は8405件で、前年比0.4%減(41件減)となった。2009年から9年連続で前年を下回り、1990年(6468件)以来の低水準だったが、これは金融機関が中小企業のリスケ要請に積極的に対応しているほか、上向きな景況も影響していると見られるという。
対する負債総額は3兆1676億3700万円で、前年比57.8%増(1兆1615億1800万円増)となった。2年ぶりに前年を上回り、2012年(3兆8345億6300万円)以来の3兆円超えになったが、この大幅増は、製造業では戦後最大の倒産になったタカタ(6月・負債1兆5024億円)の民事再生法申請が影響しているという。
産業別では、農・林・漁・鉱業、建設業、製造業、卸売業、小売業、金融・保険業、不動産業、運輸業、情報通信業、サービス業他の10産業のうち、サービス業他を除く9産業で前年を下回った。
サービス業他は2434件(前年比9.7%増)で2年連続で前年を上回ったが、居酒屋などを含む酒場、ビヤホール(85→116件)、労働者派遣業(61→76件)、広告業(54→68件)などが件数を押し上げたという。
地区別では、北海道・東北・関東・中部北陸・近畿・中国・四国・九州の9地区のうち、7地区で前年を下回った。前年同月を上回った地区は、近畿と北海道だった。