住友商事は、自動車分野における新技術の開発や実用化促進を目的として、AZAPAとの間で、人工知能アルゴリズムを搭載した自動車制御コンピュータ(以下、人工知能搭載ECU)に関する共同開発契約を締結したと発表した。

  • 住友商事グループの設定する「社会とともに持続的に成長するための6つのマテリアリティ(重要課題)」

    住友商事グループの設定する「社会とともに持続的に成長するための6つのマテリアリティ(重要課題)」

ECUは、エンジンやモーター、カーナビやカーエアコンといったあらゆるシステムを統合制御させる装置。昨今、走行の省エネルギー化や高齢者の運転支援といった観点から制御の高度化が求められており、1台あたりのECU搭載数や能力値は増大傾向にある。1980年代には1台あたり平均5個以下と言われていたものが現在は平均約20個を搭載、そして2025年頃には平均30個以上、高級車においては搭載数は倍になるとも予想されている。人工知能搭載ECUは、走行時に外部環境や自動車の性能を学習し、自動的に制御ルールを構築する。また、個々のECUを人工知能搭載ECUに統合することで、車両重量や使用電力量の削減、燃費向上を実現させるという。運転情報から運転予測を図れることにより、将来的には自動運転技術への応用も検討しているということだ。

AZAPAは、自動車のモデルベース開発(以下、MBD)、制御、計測分野に強みを持つエンジニアリング会社。今後の共同開発では、「Tier0.5戦略」を掲げ、自動車メーカーに近い立ち位置で、最終取引先メーカーに対して直接取引をするTier1サプライヤーとソリューションを共創し、連続的なイノベーションを実現していく。

また住友商事は、車の製造領域のみならず、より付加価値や収益性の高い企画、設計、開発など自動車バリューチェーンの川上領域への参入も志向している。その領域において「自動車分野における新技術開発」の視点で、顧客やマーケットのニーズに応える為の要素技術の開発、企画、商品化に取り組んでおり、同契約を機に、新技術の実用化を目指す企業と顧客やマーケットとの橋渡しとなる、新たなプラットフォームの構築を狙いたいとのことだ。