ヤマハ発動機は、幅広い生産形態に柔軟かつ効率良く対応可能な汎用性と、95,000CPHの搭載能力を両立した万能型表面実装機の新製品「Z:LEX(ジーレックス)YSM20R」を発売すると発表した。発売日は4月1日。1年間で900台の販売が計画されている。

ハイエンド高効率モジュラー「Z:LEX YSM20R」

ハイエンド高効率モジュラー「Z:LEX YSM20R」

表面実装機は、エレクトロニクス製品に組み込まれる電子回路基板に、各種の電子部品を搭載する生産設備。「YSM20R」は、1種類のヘッドで超小型チップ部品から大型部品まで対応できる「1ヘッドソリューション」をコンセプトとし、ヘッド交換不要でロスを無くし、さまざまな生産形態に効率良く柔軟に対応すると同時に高い生産性も兼ね備えた「Z:LEX YSM20」の生産能力をさらに高め、同シリーズの上級モデルとして競争力強化を図ったハイエンド高効率モジュラーとなっている。

同製品の詳細としては、XY軸の高速化や吸着から装着への動作を見直し、「YSM20」比約5%の高速化となる95,000CPHの搭載能力を実現。また、吸着位置から装着位置までの最短経路間で部品認識を行う「フライング認識」により、スキャンカメラの性能を向上。高速搭載の対応部品サイズを□8mmから□12mmへと拡大すると共に、サイド照明を採用したことでボール電極部品の高速認識が可能になり、実生産での能力を大幅に向上しているという。

また、マシンを停止することなく、テープを挿すだけで誰でも簡単にテープ部品の補給が可能なALFを新開発し、同社独自のトップテープをはがす必要のないセンターオープン方式により、毛羽・剥離帯電による吸着ミスも低減する。また、作業性を考慮した独自のテープセット機構や、フィーダー2リール分が一度にセットできる機構などにより、作業者の使い勝手を大幅に向上しているという。

さらに、30段固定式の自動交換式トレイ部品供給装置「sATS30」に、自動運転を継続したまま空パレットの排出及び新しいパレットの供給が可能な機能が追加。自動で排出される空パレットとの交換で新しいパレットをセットし供給ボタンを押すだけで、自動でマガジンに新パレットが供給される。そのほか、台車の着脱時の開口部分に吸着部の開閉シャッター式カバーを設置し、台車を外すと自動でシャッターが閉じる仕組みとし、マシンを停めずに台車交換が可能となったということだ。

なお「Z:LEX YSM20R」は、1月17日〜19日に東京ビッグサイトで行なわれるエレクトロニクス製造・実装技術展「第47回 インターネプコン ジャパン」に展示されるということだ。