ニコン創立100周年を記念し、好評実施中の「第5回 ニッコールレンズフォトツアー ご招待!キャンペーン」。期間中に対象商品を購入して応募すると、プロ写真家とともに国内外有数のフォトスポットを訪ねるフォトツアーに、抽選で200名をご招待するというものだ。
キャンペーンとツアーの詳細については既報記事をご参照いただくとして、フォトツアーの中から『古都の伝統とともに舞う「舞妓ポートレート」撮影ツアー』(2018年5月12日実施)のロケハンに同行する機会を得たので、そのレポートをお届けしたい。なお、ツアー当日は本物の舞妓さんを撮影するが、今回はロケハンなので着物姿のモデルさんが代役を務めている。
「特別な京都」で「本物の舞妓さん」を撮る
魅惑の京都を舞台に、日本の伝統芸能である舞妓さんを「独占撮影」できるスペシャルなポートレートツアー。悠久の歴史が息づく京都の街並みや寺院など、バリエーションに富んだスポットで、写真家・熊切大輔氏の指導のもと存分に撮影を楽しめる。招待人数は10名と少なめなので、時間やアングルに余裕をもって撮影できるのもポイントだ。
今回のロケハンでは、京都らしい雰囲気が凝縮された路地や小道、京都有数の名刹「大徳寺 黄梅院」や「建仁寺 両足院」、美しい数寄屋造りの建物などを訪れた。特に大徳寺 黄梅院では、信長や秀吉、千利休ともゆかりの深い境内を舞台に撮影。歴史的遺産を肌で直に感じられるだけでも、十分に満足感を得られるはず。写真に加え、歴史を愛好する方には特に応募をお勧めしたいツアーだ。
写真家・熊切大輔氏が語る撮影の魅力
当ツアーをアテンドする熊切大輔氏は、日刊ゲンダイ写真部に入社後、フリーランスとして独立。広告や雑誌などでドキュメンタリー・ポートレート・食・舞台など「人」が生み出す瞬間・空間・物を撮影するなど活躍中だ。「日本カメラ」誌で『東京美人景』『テストレポート』を連載、月刊「カメラマン」で月例コンテスト審査員を務めるほか、ニコンカレッジ講師をはじめ、さまざまな写真講師も務めている。
京都で本物の舞妓さんを撮る。その魅力について、熊切氏は次のように語る。
「夜のお座敷に呼ばれる本物の舞妓さんを日中、京都の風景で撮影するのはまず不可能。それが撮れるのは非常に贅沢です。彼女らは、いわば和の伝統と女性の美しさの極致。衣装、立ち振る舞い、女性の美を際立たせる要素が詰まっている。どの角度からどう見たら美しいかを考え、うなじや飾りをじっくり見極めて撮る。目線や一挙手一投足の意味を読み解きつつ、画をイメージする楽しみは、被写体が本物の舞妓さんだからこそです。撮影中にちょっと舞いを舞ってもらうとかもいい。そんなことも含めて、内容を詰めていきたいですね」
極上の被写体を至高のニッコールレンズで描写する
当ツアーのおすすめレンズとして、熊切氏は「AF-S NIKKOR 35mm f/1.4G」と「AF-S NIKKOR 105mm f/1.4E ED」を挙げている。
「今回のフォトツアーでは、単焦点のボケ味も楽しんでほしいんです。そこで35mmと105mm、2本の単焦点レンズを挙げさせていただきました。一般の撮影会だと35mmではちょっと寄り切れないところがありますが、今回はぐっと近づいて撮ることも考えています。また、ワイド寄りの画角を使ったポートレートでは背景も重要になってくる。京都という魅力的な空間と被写体を存分に表現してほしいですね。一方、105mmでは、35mmとは違ったボケの大きさと美しさをどう生かすか。レンズの使い分けや、絞りを操作する楽しみなど高性能レンズだからこそできることについても、フォトツアー当日にお話できたらと思います」(熊切氏)
フォトツアー当日は、おすすめレンズの体験貸出も行われる予定。憧れのレンズの描写を屋外で試すことができる絶好の機会だ。
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熊切氏によれば「AF-S NIKKOR 35mm f/1.4G」「AF-S NIKKOR 105mm f/1.4E ED」のほか、「AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8E ED VR」もおすすめとのこと
※ここまでの撮影:青木明子
ロケハンにはニコン D850を使用
では、今回のロケハンで熊切氏が撮影した作品を氏自身による解説を交えてご紹介しよう。使用したカメラ本体は、売れすぎて品薄になるほど人気の「D850」だ。これらの作品から、ツアー当日に撮影できる写真がよりリアルにイメージできると思う。
熊切氏:やはりまずは舞妓の表情を写した。しかし闇雲にバストアップを撮ればよいわけではなく、背景もしっかりと意識した。赤い傘が描く円がデザイン的に効く様に画面の中に配置して横位置の空間を埋めた。シンプルなポートレートこそバランスが大事だ。
熊切氏:舞妓特有の化粧や所作に「艶」を感じる。斜め後ろに立った時、とてつもなく色気を感じた。うなじの化粧と髪飾り。伏し目がちな眼差しが良い。背景のボケと手前の傘のボケで挟み奥行を表現した。手前の傘は瞬間、覗き込んだ感覚も呼び起こす効果もある。
熊切氏:決して派手ではない京都というロケーションは、露出を抑えたトーンの低い表現もよく似合う。丸窓からの景色は「丸と舞妓」という最初のカットと同じ要素を別角度から表現している。寄りと引き。このアクセントが最終的に「組める写真」になっていくのだ。
「第5回 ニッコールレンズフォトツアー ご招待!キャンペーン」への申し込みにあたっては、対象商品の購入締切日が2018年1月14日、応募締切が2018年1月29日。期日は迫っているが、まだ間に合う。ツアーが実施される5月は、ちょうど新緑が映える時節。極上の京都の風景とともに、舞妓さんの艶やかな姿と表情をあなたの代表作のひとつに加えてみてはいかがだろうか。