一方で、安価な輸入ワインも好調だと聞く。2017年に投入された「ワールドセレクション」は、年間の目標を10カ月で到達したという。

サントリーが仕掛けたワールドプレミアム

もう一方のワインの雄、サントリーもワイン市場で仕掛けてきた。しかも戦略がなかなかユニークだ。フランス・ボルドー、イタリア・キャンティ、オーストラリア・シラーズ/ヴィオニエ、チリ・カルメネール、ドイツ・リースリング、日本・甲州といった、世界のワイン産地の製品を「ワールドプレミアム」というシリーズで販売開始した。サントリーの担当者がいうには、6カ国ものワインをひとつのシリーズで統一するのは初めてではないかという。

そしてもうひとつ、このワールドプレミアムには特筆すべきことがある。それは、サントリーとセブン-イレブンとの共同開発で誕生したということ。酒類のメーカーであるサントリーはわかる。だが、コンビニ大手のセブンがワインの開発に携わるのは、異例といえるだろう。

少し高めの価格で勝負

いいかえると、コンビニ大手もワイン人気にひかれたということだ。しかも、セブンが関わったワインということは、積極的に店舗のワインコーナーで売られることになる。ほかの酒類メーカーにとっては驚異といえるだろう。価格は1,380~1,780円と、売れ筋のワンコインワインに比べれば少々高めだが、安価なワインに満足できなくなった層には、リーチしやすい価格だ。

輸入ワインも好調らしい。ただ、輸入ワインを牽引した、ボージョレ・ヌーボーは、全盛期の半分ぐらいの消費量になっているらしい。ただ、こうも考えられる。フレッシュな新酒ではなく、タンニンを味わえる熟成させたワインに嗜好が移っているのではないかと。 いずれにせよ、ワイン人気は今後も続くだろう。2018年も、さまざまな動きがワイン業界で起こるにちがいない。