サムスン電子の「Galaxy Book」は、Galaxyブランドとして国内初投入になるWindows PC製品だ。12月からは倉庫型スーパーの「コストコ」で個人向けの販売も始まった。
サムスンといえばGalaxyシリーズのスマートフォンで知られているが、海外ではテレビや白物家電メーカーとして最大級のシェアを誇っている。このタイミングでPC製品を日本に持ち込む狙いはどこにあるのだろうか。
「Galaxy」ブランドが日本市場にも浸透
サムスンはテレビを始めとする家電製品で世界のトップシェアを握っているが、PC市場でのシェアは低迷している。TrendForceによる2016年の調査では、世界のノートPC市場でのシェアは2.4%で7位となっており、HP、Lenovo、Dell、ASUS、Apple、Acerの主要6社とは大きな差がある。海外ではしばしば撤退の可能性も報じられてきた。
だがサムスンのPC製品については、独自技術を活かした特徴的なモデルが多い。超軽量ノートPCの「Notebook 9」シリーズは、ペン入力に対応するなど定期的にアップデートしている。今回、日本に投入した「Galaxy Book」も、2017年2月のMobile World Congressで発表した最新の2-in-1だ。
その背景には、日本でもGalaxyブランドが徐々に浸透してきたことが挙げられる。2017年にはフラグシップの「Galaxy S8」と「Galaxy Note8」の両機種を発売。さらに毎月1500円引きの「docomo with」の対象端末となった「Galaxy Feel」は、ドコモ向けのGalaxyとして最も売れた端末になったという。
製品展開はウェアラブルやVRにも拡大しており、体験型施設「Galaxy Studio」を各都市に展開してきた。PC製品の投入もこの延長にあるといえるだろう。