さて、見てきたように、手軽にアナログ的印刷工程が楽しめるプリントスですが、いくつか注意事項があります。まずは画質です。「チェキ」と同じフィルムを使用しているプリントスですが、画質はチェキのほうが上です。特にその差が顕著なのが周辺光量。プリントスでは必ず4隅がぼんやりと黒くなります。個人的には許容範囲ですが、インスタントプリントに高画質を求めるならチェキシリーズの上位モデルを購入するべきでしょう。

  • 画面の4隅がぼんやりと黒くなると言ってもこの程度(上3枚)。むしろレトロな雰囲気が演出できるので、個人的には好ましく感じました

あとは使用上の注意なのですが、プリントスでの撮影時にはスマホのディスプレイを一番明るくしておくこと、屋内でプリントすること、屋内でプリントする際でも光量の強い照明を消すことを心がけましょう。筆者が試したかぎりではデスクライトの光をプリントスのレンズに向けていても特に悪影響は確認できませんでしたが、強い光はできるだけ避けたほうが無難です。

  • 左がデスクライトの光をプリントスのレンズに向けてプリントした写真、右がデスクライトを消してプリントした写真。なぜか後者(右)のほうが色が濃く写っているように見えます。不思議です

携帯ゲーム機の画面も印刷できちゃう

さて、プリントスはスマホの画面を接写するというシンプルな仕組みですが、スマホ以外で使えないわけではありません。発光するディスプレイであれば印刷できるのですから、携帯ゲーム機の画面をプリントしてもいいわけです。もちろん私的利用の範囲を超えてはいけませんが、お気に入りのゲームのいちシーンをプリントして自分の部屋に飾るなら問題ありません。

  • プリントスの画面サイズは62×46mm。Nintendo Switchの全画面は印刷できないので、トリミングしてプリントすることになります

プリントスでは、普段スマホでたくさん撮っていた写真のなかから、お気に入りの写真だけをどこででも手軽にプリントできます。もちろん画質的にはコンビニのマルチコピー機のほうが断然上です。しかし、プリントスならではのレトロチックな写真も、思い出を振り返る際には情報量の少なさを脳が補完するので、逆に味わい深いと感じました。普段は気ままにスマホで撮影し、ここぞというときにインスタントカメラ的なプリントを楽しみたいという方にぜひオススメしたい製品です。

  • 印刷してみた写真たち。毎日写真を撮っていると見返すのもかなりの手間です。特に思い出深い写真のみプリントして周囲に飾っておけば、いつでもすぐにそのときのことを振り返れて便利ですね