NEDOとトヨタ自動車、日野自動車、豊田通商、東邦ガスエンジニアリング、日本自動車研究所は、インドネシアでの圧縮天然ガス(CNG)車普及に向けたインフラ構築を含む、持続可能な環境整備を行う実証事業を開始することを発表した。

  • 実証概要図

    実証概要図(出典:Google MapsよりNEDO作成)

インドネシアでは現在、石油製品の輸入・消費抑制を目的に、自国の天然ガス利用拡大が進められている。とりわけ、圧縮天然ガス(CNG)車両については、2016年10月の国家エネルギー計画(RUEN)において2025年にCNG車両を200万台導入し、CNG充填所を646カ所設置することが目標となっている。

こうした背景のもと、NEDOは、インドネシアのエネルギー鉱物資源省石油ガス総局(MIGAS)と共同で、日本の技術を導入したCNG車両とCNG充填所の設置、運用の実証を通じて、同国でCNG車が持続的に普及する環境づくりを行うことに合意し、12月11日に基本協定書(MOU)を締結した。

この実証事業を推進するため、トヨタ自動車、日野自動車、豊田通商、東邦ガスエンジニアリング、日本自動車研究所のコンソーシアムは、NEDOと近日中にそれぞれ委託契約を結ぶとともに、インドネシア国有石油会社であるプルタミナ社と共同で事業を推進していくため、協定付属書(ID)を締結する。

期間は2017年12月〜2021年3月の予定で、ジャカルタ首都圏や近郊工業団地に日本の技術によるCNG充填所の設置やCNG車両の導入・運行を通じて、国際基準に沿った品質のCNG車用燃料を供給できるインフラ・システム導入の働きかけを行い、併せて省エネ化、温室効果ガス削減を目指す。

なお、資源採掘・精製から走行までを対象に1台あたりの効果を分析した場合、CNG乗用車はガソリン車と比較し、省エネ効果は約7%、温室効果ガス削減は約22%、貨物車は現地の現有ディーゼル車から燃費の良い最新型のCNG車へ代替することから、省エネ効果は約16%、温室効果ガス削減は約35%が見込まれる。

また、NEDOは、インドネシア政府関係省庁に対して関連制度・基準の設計支援を行うことにより、国際基準に沿ったCNG車用燃料およびCNG車の規格導入を図るとしている。