では早速、総額40万越えのハイスペックPCのパフォーマンスを見てみましょう。今回ベンチマークに使用したのは総合ベンチマーク「PCMark 8 v2.7.613」、3Dベンチマーク「3DMark v2.4.3819」、CPU/OpenGLベンチマーク「CINEBENCH R15」、「ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター ベンチマーク」、ストレージベンチマーク「CrystalDiskMark 6.0.0」、そして定番動画編集アプリケーション「Adobe Premiere Pro CC」です。

PCMark 8 v2.7.613
Home Accelerated 3.0 5457
Creative Accelerated 3.0 8882
Work Accelerated 2.0 5605
3DMark v2.4.3819
Time Spy 7952
Fire Strike 8882
CINEBENCH R15
OepnGL 165.72fps
CPU 2170cb
CPU(Single Core) 186cb
ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター ベンチマーク
高品質(デスクトップPC)フルHD 16459
標準品質(デスクトップPC)フルHD 19904
CrystalDiskMark 5.2.1(SSD)
Q32T1 シーケンシャルリード 1559.684MB/s
Q32T1 シーケンシャルライト 596.552MB/s
4K Q8T8 ランダムリード 292.566MB/s
4K Q8T8 ランダムライト 568.604MB/s
4K Q32T1 ランダムリード 249.879MB/s
4K Q32T1 ランダムライト 569.226MB/s
4K Q1T1 ランダムリード 29.788MB/s
4K Q1T1 ランダムライト 149.621MB/s

驚かされたのがCINEBENCH R15のCPUスコアです。軽々と2000の大台を超えるスコアを叩き出しています。10コア20スレッドのCore i9-7900Xが本領を発揮した結果と言えます。ゲーミングPCとしても並々ならぬパフォーマンスを備えていることは、3DMarkやファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター ベンチマークのスコアを見てもわかります。

Adobe Premiere Pro CC(ディスプレイ解像度1920×1080ドットで実施)
5分のフルHD動画をフルHDで書き出し 1分59秒24
5分の4K動画を4Kで書き出し 5分33秒06

さて今回の記事の主目的は4K動画編集の快適性を検証することでしたが、非常に満足できる結果となりました。Adobe Premiere Pro CCで5分のフルHD動画書き出しにかかった時間は1分59秒24、5分の4K動画書き出しにかかった時間は5分33秒06。驚くべきことに4K動画の尺(実時間)とほぼ変わらない時間で書き出しが終了しました。

ちなみに筆者がメインで使っているRyzen 7 1800X搭載PCで5分の4K動画書き出しにかかった時間は8分3秒43です。Core i9-7900XとRyzen 7 1800Xは発売された時期も価格も異なります。2017年3月2日に発売されたRyzen 7 1800Xは現在5万円を切る価格で購入可能です。それでもこれだけのパフォーマンス差を見せつけられると、PCをアップグレードする誘惑に心が揺れてしまいますね。

Adobe Premiere Pro CC(試用機vs筆者自作PC)
テスト項目 試用機 筆者PC
5分のフルHD動画をフルHDで書き出し 1分59秒24 2分30秒29
5分の4K動画を4Kで書き出し 5分33秒06 8分3秒43

ちなみに筆者が使っている自作PC(Ryzen 7 1800X)は、マザーボードはASUS「ROG CROSSHAIR VI HERO」、メモリはCORSAIR「CMK32GX4M2B3000C15」(DDR4 PC4-24000、16GB×2)、ストレージはサンディスク「SDSSDHII-480G-J25C」(Serial ATAⅢ接続)、グラフィックスカードはZOTAC「GeForce GTX 1080 Founders Edition ZT-P10800A-10P」を搭載しています。

  • 4K動画の編集

    4K動画の編集

4K動画の編集、プレビュー時の速度についても言及しておくと、快適の一言に尽きます。元々4K動画を取り扱う場合でも、編集、プレビュー時の負荷は高くありません。現在10万円台で発売されているデスクトップPCなら、たとえ書き出しに時間はかかっても、編集、プレビュー時に大きなストレスを感じることはないです

将来を見据えて4K動画を快適に編集できるPC環境を整備しよう

今回はMSIから借用したパーツをそのまま組み上げているので総額で40万を超えていますが、現在使っているデスクトップPCにCPU、マザーボード、メモリ、グラフィックスカードなどを組み込んでいくのなら多くのパーツを流用可能。出費を抑えることも可能です。

まだYouTubeなどの動画配信サイトで4K動画を視聴している利用者は多くありませんが、Amazon Fire TV、Apple TV 4K、Chromecast Ultraなど最新のストリーミングデバイスは4Kに対応しているので、急速に4K視聴環境は整っていくでしょう。もし動画を編集・公開する機会が多いのなら、将来の視聴環境を見据えて、4K動画を快適に編集・書き出し可能なPC環境を整備してはいかがでしょうか?

4K動画をその尺とほぼ同じ時間でエンコードできる今回のハイスペックPC。4K動画編集のみならず、さまざまな用途にそのパフォーマンスは役立つはずです