SoCはAIプロセッサを内蔵する「Kirin 970」

Mate 10 Proの最大の特徴となるのが、ファーウェイが世界初とうたう、AIプロセッサ内蔵SoC「Kirin 970」を搭載する点だ。

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    Mate 10 Proには、世界初AIプロセッサ内蔵SoC「Kirin 970」を採用

Kirin 970は、Cortex-A73 クアッドコアと、Cortex-A53 クアッドコアというオクタコアCPUに、GPUとしてMali-G71を内蔵。加えて、NPU(Neural network Processing Unit)と呼ばれるAI処理専用プロセッサも内蔵している。このNPUによって、各種のAI処理をCPUに比べて25倍以上高速に処理できるうえに、電力効率も50倍に達するという。

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    NPUを活用してユーザーの使い方を学習し、その振る舞いに応じた最低かを行うことでレスポンスが60%、スムーズさが50%向上するという

そして、Mate 10 Proには、Kirin 970のNPUを活用したさまざまな機能が搭載されている。最も大きな機能といえるのが、最適化機能だ。Mate 10 Proはユーザーのスマートフォンの使い方を学習し、ユーザーの振る舞いに応じて最適化を行うが、その処理をNPUが担当。これにより、最適化を行わない場合に比べて、レスポンスが60%向上するとともに、動作のスムーズさも50%優れるそうだ。

カメラ機能では、事前に1億枚を超える写真による画像学習をベースとした画像認識をNPUによって行い、正確な被写体認識や、被写体に合わせたインテリジェントな自動撮影機能を提供。オートモードでは、カメラを向けるだけで13種類の被写体やシーンを瞬時に認識し、最適な撮影モードを自動設定する。実際に、人はもちろん、猫や犬、花、食べ物などを短時間で認識するのは、なかなか気持ちがいい。

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    カメラ機能には、1億枚を越える写真の画像学習をベースに、NPUを駆使した被写体認識機能が盛り込まれている

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    13種類の被写体やシーンを瞬時に認識し、最適な撮影モードを自動設定する

この他、プリインストールされている翻訳アプリ「Microsoft翻訳」は、NPUを利用した処理に最適化されており、高速な翻訳が可能になっているとのこと。

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    プリインストールの「Microsoft翻訳」はNPUに最適化されており、他のスマートフォンよりも高速に翻訳が行える

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    写真でメニューなどを撮影して翻訳する場合でも、他のスマートフォンよりも早く翻訳できた

今回は短時間の試用だったもあり、長期間利用した場合の最適化の効果までは確認できなかったが、Microsoft翻訳では他のスマートフォンが1.5~2秒ほどかかるのに対して、Mate 10 Proでは1~1.5秒ほどで翻訳結果が表示される場面が多かった。このあたりは、Kirin 970の効果といっていいだろう。