Face IDに他社は追いつけるか

一方で、スマートフォンとしての性能や本体デザインの面では、サムスンやファーウェイのフラグシップ製品もiPhone Xに匹敵する存在だ。それに対し、iPhone Xの新機能の中で他社の追随を許さないのが顔認証の「Face ID」だ。

実は、顔認証自体は目新しい技術ではない。最近のサムスンのGalaxyシリーズや、一部のWindows 10搭載PCでも実現している。だがFace IDは認証速度が速く、画面に目を向けたときにはもう認証が終わっているほどだ。これに慣れてしまうと、従来の指紋認証には戻れないと感じるはずだ。

画面に目を向けたときには認証は済んでいることが多い

Face IDの精度は基本的には高く、誤認識は100万人に1人とされるものの、双子を見分けられない場合があるなど改善の余地はある。だがその使用感は、他社より1世代は先行していると言っても過言ではない。

スマホの生体認証は、画面ロックの解除はもちろん、Apple Payを始めとするモバイル決済においても重要な技術だ。かつて指紋認証ではiPhone 5sへのTouch IDの搭載で先行したアップルだが、今度は顔認証でも、Face IDによって他社を大きく引き離す技術革新を成し遂げている。