情報通信研究機構(NICT)は24日、NICTユニバーサルコミュニケーション研究所 データ駆動知能システム研究センターが、NICTが一般に試験公開している大規模Web情報分析システム「WISDOM X」を用いて、40億件以上のWebページの情報をベースに、ユーザの多様な音声入力に応答する次世代音声対話システム「WEKDA(ウェクダ)」の開発に取り組んでいることを発表した。

WEKDAの応答例

音声対話システムのほとんどは、「もしユーザがXXと言ったら、XXと答える」といった対話のルールをあらかじめ多数用意し、ユーザの入力に応答するというものだが、想定されたトピックに対してしか意味の通る応答ができないという問題がある。これは、対話システムが持つ本来の可能性を大きく損なうことになってしまう。

「WEKDA」(WEb-based Knowledge Disseminating dialog Agent)は、従来型の対話システムとは異なり、「もしユーザがXXと言ったら、XXと答える」といった対話のルールやシナリオをあらかじめシステムに教えることなく、先端技術から日常生活の話題まで多種多様なトピックに関する入力に対し、40億件以上のWebページに書かれている知識を提供しつつ、対話を行う次世代音声対話システム。

同システムでは、例えば「iPS細胞ってすごいよね」「煮物が食べたい」といったユーザの音声入力に対し、「iPS細胞で何を見る?」「煮物に何が良い?」といった質問を自動生成し、その質問に対してWISDOM Xが提供する回答を基に、「iPS細胞で肥大型心筋症の治療薬候補を見つけた」、「焼き魚に玉子に煮物で和風な朝御飯も良し」といった応答を生成する。これによりユーザーは、価値ある知識を取得したり近々の生活を豊かにするヒントを得られるようになる。

WEKDAの応答生成方法の概要

今後は、高齢者ケア、教育、仕事上のヒント等に、よりフォーカスした対話を行えるよう、目的やユーザに関する知識を持たせ、それに基づいて対話を行えるよにWEKDAを拡張していくという。NICTでは、同技術を各個人の置かれた状況や好みに応じて、様々な活動に役立つ知識や、新しい可能性を開くヒントを何気ない雑談を介してわかりやすく提供し、各個人の潜在的能力を最大限に発揮させる新しい技術へと進化させていくことを目指すということだ。