ソニーからハイレゾ対応音楽プレーヤー「ZX100」の後継となる「ZX300」が登場した。ZX100は、コンパクト性と高音質を両立したモデルとして人気だったが、ZX300は一から設計を見直すことで音質に磨きをかけるとともに、新たにタッチパネルを搭載するなど操作性を大幅に向上させている。ZX300はハイレゾ対応音楽プレーヤーの決定版となるのか。前モデルのZX100と比較しながら、その実力に迫ってみた。

3.1インチのWVGA(800×480ドット)タッチパネルを搭載したウォークマン「NW-ZX300」。ソニーストア直販価格は64,880円(税別)

最上位機種をコンパクトにしたモデル

ソニーのウォークマンといえば、昨年(2016年)の秋に発売されたハイエンドモデルの「WM1Z」と「WM1A」が、高音質ということで各方面で高い評価を得ている。ZX300は、そのWM1シリーズのコンパクトモデルというコンセプトで開発されたという。そのデザインや製品名はZX100の流れを汲んでいるものの、WM1シリーズで採用されている高音質技術をベースに一から設計がやり直されており、中身はZX100と全く別物となっている。

実際、筐体と基板の間に金メッキを施した無酸素銅プレートを設置することでインピーダンスを大幅に低減している点、大電力が供給可能な「電気二重層キャパシタ」を採用している点など、WM1シリーズと共通する部分は多い。4.4mmバランス接続や、高ヘッドホン出力 (アンバランス:50mW/バランス:200mW)に対応するなど、高音質化のための工夫も満載されており、その音質には期待が膨らむ。実際の音質については、本稿の後半でZX100と徹底的に比較しているので、そちらを参照頂きたい。

WM1シリーズ同様、バランス出力に対応。3.5mmのアンバランスヘッドホンジャックに加え、4.4mmのバランスヘッドホンジャックを備える

なお、WM1シリーズ同様に対応フォーマットが幅広いのもZX300の特徴。PCMは最大384kHz/32bit、DSDは最大11.2MHz(バランス接続時はネイティブ再生、アンバランス接続時はPCM変換再生)をサポート。WM1シリーズでは未対応(今後ファームウェアのアップデートで対応予定)の新ロスレスフォーマット「MQA」もサポートしており、現状、日本のハイレゾ音源配信サイトで購入できるすべての音源を再生できる仕様だ。