商業施設も併設されており、学研と提携した「ウェルネスSQUARE」として、病院やクリニック、薬局などがあり、高齢者と家族が安心して暮らせる空間を提供している。ほかに、エコカーシェアリングやレンタカーサービスもすぐ利用できる環境を用意している。

また、ヤマト運輸と提携した「ネクストデリバリーSQUARE」では、宅配から届く荷物を集約。タウン内は台車や電動アシストで配達するため、化石燃料を使ったトラックをあちこち走らせる必要がない。また、配達予定時刻もスマートテレビでチェック、あるいは再配達の依頼も可能だという。

必要なものやサービスを必要な人に、必要なとき、必要なだけ届ける、「Society 5.0」をいち早く実現している環境がFujisawa SSTというわけだ。

Fujisawa SSTでの取り組みでもわかるとおり、学研やヤマト運輸など、これまでのJEITAやCEATECでは到底名前の挙がらなかった企業と連携していることがわかる。IoTの効果は単に機械どうしが連携するのではなく、人と人、企業と企業もつなげられることだ。

Fujisawa SSTでは共有サーバーを使ったヘルスケアサービスや、宅配のオンデマンド配送サービスにも対応

あらゆるものがつながることで付加価値が生まれる

長榮氏は、「IoTなどの技術は二股ソケットの現代版」だという。二股ソケットはパナソニック創業時の主力商品で「世の中を便利にするもの」だった。IoTや5G、AIによってつなげる、つながることで付加価値が生まれ世の中が便利になる。CEATECは発信型の展示から課題解決型の共創へとシフトしたが、「世の中を便利にするなにか」が得られる場であることは変わっていないと強く感じた。