メール・着信を光で知らせるカバーMods

今回、1位を制したのは、プロダクト名「Design Mod」を提案した「Modifyチーム」。発光ギミックを搭載したデザイン重視のカバーModsで、メールやメッセージの着信時に通知ランプとして点灯したり、懐中電灯として夜道を照らすなどの実用性と、気分転換でデザインを変えられる娯楽性を併せ持つプロダクト。プレゼンでは、周囲から見て印象に残るのでコミュニケーションの取っ掛かりにもなると紹介した。

ステファン・マクドネル氏は論評に際し、「その製品が市場に出せる可能性があるかを重視したが、決め手は私達がこれを欲しいと思ったことだ。世界的にも魅力の伝わる内容だし、日本らしさを活かしたものになっていた」と讃えた。

優勝したModifyチームは、「一番苦労したところは多様なアイデアが出すぎて、多数決を何度もするほど絞り込みに時間が掛かったこと。最終的にリーダーが力づくで通した部分もあった。しかし、方針が決まってからはプレゼンがスムーズにできるよう役割分担も自然にできて、各自がそれぞれの働きをできた」と述べた。

優勝チームには副賞として、Moto Z2 Play+Mods開発キットが提供され、チームから2名がシカゴのモトローラ本社への研修旅行に招待される。

優勝したModifyチーム

Modifyチームの提案した「Design Mod」のスライドタイトル

「歩きスマホ」で危険が近づくと画面で注意

また、2位にはプロダクト名「Moto Mods Safer」を提案した「Cheeroチーム」が選ばれた。センサーを利用して「歩きスマホ」中に危険が近づくと画面をワイプするなどして知らせるという内容。Cheeroチームはodifyチームと打って変わって「方針は1分で決まった」と語り、「自分たちの作れる部分と作れない部分がはっきりしていた点が優位点につながった」とコメントした。

準優勝したCheeroチーム

参加者にインタビューしたところ、アイデアを1つにまとめることに苦心したというチームと、アイデア自体はすぐに決まったが伝えるための資料作りに苦心したというチームのどちらかに分かれる傾向が高かった。前者では奇抜なだけで実現性に乏しいアイデアの振るい落としで意見が分かれたという意見や、後者では絵心のある人間がチームにいるとアドバンテージになっていたという意見も見られた。

印象的だったのは「日本らしさがお題になっていたため、外国人の審査員に、日本ではこれが重視されるのだと日本の状況をいかに理解してもらうか知恵を絞った」という意見もあったことだ。日本人同士であれば「あるある」とすぐにうなずけることも、海外ではピンと来ないケースはままある。日本らしさは魅力にもなれば、足かせにもなる諸刃の剣と言えるだろう。これは日本発のプロダクトを海外展開する際にも重要になる視点だ。

モトローラでは今後もアイデアソンを継続的に開催したいと述べており、東京、大阪といった都市圏に限らず、地方都市も会場として視野に入れていきたいという。日本から出たアイデアが全世界で展開され、支持される日が来るのを楽しみにしたい。

ブレインストーミングの様子

会場にはモトローラのメンターチームが待機し、技術的なアドバイスに応えた

各チームの資料作りの様子を見て回るステファン氏

資料作りの様子。絵心のあるメンバーがいるとプレゼンではやはり有利

プレゼンで日本市場の特徴を訴える。日本のユーザーの中には、自分の欲しいスマホカバーがあるかないかで機種を選ぶこともあるという意見に、ダニー社長やステファン氏は驚いていた