説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、『AirDropは"画像テロの温床"ってどういうこと?』という質問に答えます。

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最近、海外のタブロイド紙でiPhoneを利用した"画像テロ"が話題です。以前からその可能性は指摘されており、当コラムでも約2年前に取りあげていますが、残念ながら件数は増加傾向にあるようです。そう、見たくもないセクハラ画像がAirDrop経由で送りつけられてくる珍事のことです。

AirDropは、BluetoothとWi-Fiを利用したデータ送受信機能です。インターネットを経由せず近くの端末同士が1対1で直接通信するため、メールやSNSよりもすばやく画像などのデータを受け渡しできます。

基本的には面識のある人物同士、互いに『連絡先』に登録がある者の間で利用される機能ですが、初対面の場合にはそうもいきません。AirDropには「連絡先のみ」と「全員」、そして「受信しない」という3つの受信モードが用意されており、通常は「連絡先のみ」で利用すべきところが、連絡先に未登録の場合は一時的に受信モードを「全員」に切り替えると、誰からでもデータを受信できるようになります(コントロールセンターで変更可)。

"画像テロ"は、そのスキを付いた悪質ないたずらです。AirDropでは、画像を受信する前に受け入れるか辞退するかを選択できますが、画像がプレビューされるのでいやでも内容が目に入ります。実行犯はその困った表情を見てほくそ笑む……のでしょうか、なんともはた迷惑な話です。

AirDropはiPhone/iPadなどApple製品限定の機能ではあるものの、ユーザ数の多さから事件が続発するのでしょう。Twitterで事例を探してみると、国内外を問わず混雑した場所を中心に発生しているようですから、通勤通学の電車では特に気をつけたほうがよさそうです。

その対策ですが、つねにAirDropの設定を「連絡先のみ」にしておくことです。面識がない相手とやり取りするために「全員」に切り替えたあとは、忘れず「連絡先のみ」に戻しておきましょう。さすがに画像テロの犯人が面識ある人物ということはないでしょうから、これで朝からいやな思いをせずに済みます。

見たくもない画像が送りつけられてこないよう、AirDropの設定は「連絡先のみ」にしておきましょう